「一之輔のすすめ、レレレ~vol.13」

懸賞 2017年 03月 12日 懸賞

f0036354_227867.jpg練馬文化センター小ホールで行われた「一之輔のすすめ、レレレ~vol.13」へ行ってきました。

開口一番は
●柳家小んぶ【たいこ腹】身長187㎝もある立派な体躯と落ち着いた話しぶり、ふたつ目と聴いてびっくりしました。相撲取りに間違えられ赤ん坊を抱いたというマクラの所作、独身なので赤んぼの抱き方がおかしいと一之輔さんの高座でさりげなくチクリ。確かに。日々勉強ですな。

●春風亭一之輔【不動坊】講釈師の未亡人との縁談に浮かれる吉兵衛とその吉兵衛に嫉妬する長屋の独身3人組と近所の落語家が巻き起こすドタバタ滑稽話。吉兵衛の浮かれっぷりがたまらなくおかしかった。浮かれすぎて落ち着かない男が一之輔さんの体にとりついたかのよう。こちらまでへとへとに疲れるほどの熱演、落語を聴くのに体力も必要だと思った瞬間。

仲入り

●ヘルシー松田 【コミックマイム】今まで見たことのない系ジャンルの人。いったいどこで見つけてくるんだろう?寄席でしかみられない芸人さんっていう人も結構いるけど、ヘルシー松田さんはきっと道端で捕まえてきたという感じ。
海のいきものたちという演目で演じた「わかめ」「こんぶ」「子持ちこんぶ」
「鳥のようにあるくおばさん」に大爆笑するも哀愁感半端ない。

●春風亭一之輔【団子屋政談】一之輔さんの落語の中で好きな演目の一つ「初天神」。
親子が初天神詣りに行き、「何もねだらない」と約束した金坊が飴や団子を買ってもらおうと手を変え品をかえて駄々と理屈を捏ねる小生意気な様と断固として応じるそぶりを見せない父親との攻防戦がとにかく可笑しい噺。
この序盤の「初天神」だけでも大満足なのに、なんだか噺が思いもよらぬ展開に…
なんと食べ掛けの団子を何度も蜜壺に入れられた団子屋が怒って大岡越前に訴え出てしまいます。遠島〈南の自然豊かな島への遠島希望〉を望む
金坊ですが、初めは呆れていた大岡越前が、どういうわけか金坊と一緒に天神詣りに行くことに…。
ハチャメチャな展開のなか見事な大岡裁きで親子喧嘩も一件落着!この「初天神」と「大岡政談」のまさかのコラボ(改作)作品には、とにかく笑わせてもらいました。
この「団子屋政談」新作落語かとおもいきや、実は2012年(今から5年も前)に、ある落語会の無茶ぶり企画で誕生した噺なのだそうです。
それにしても一之輔さん演じる金坊のキャラクターは他の追随を許さない唯一無二不動の鉄板キャラですね。
一之輔さん地元、練馬で大暴れの落語会でした。

# by Ricophoo | 2017-03-12 22:07 | 落語 | Comments(0)

赤猫異聞

懸賞 2017年 03月 11日 懸賞

f0036354_0373799.jpg浅田次郎著「赤猫異聞」を読了。
稀代のストーリーテラー浅田次郎が描く義理と人情のエンターテイメント小説、まさに浅田文学の真骨頂ここにありき!といった作品だった。

時は幕末から明治維新の混乱の時代。江戸の制度を中途半端に引きずっていた明治元年の伝馬町牢屋敷を襲った大火災の中、解き放たれた三人の罪人。夜鷹の大元締め白魚のお仙、博打打の信州無宿の繁松、江戸市中で官軍の兵隊を夜な夜な斬ってまわっていた旗本の七之丞。鎮火後、三人共に戻れば無罪、一人でも逃げれば全員死罪。全員戻って来なければ同心の丸山小兵衛が切腹という条件。

罪人たちのそれぞれの葛藤。情けや義憤、心の機微が鮮やかに描かれている。しかし、なにより二人の牢役人達の侍としての矜持に強く胸を打たれた。
「法は民の父母なり」ならば、世が乱れて法が父母の慈愛を喪うたとき、その法に携わる者は自らを法と信じて、救われざる者を救わねばなりますまい。おのれ自身が民の父母にならねばなりますまい」丸山小兵衛が末期に言った「お頼み申す」の一言はおのれの介錯を頼んだわけではござりますまい。私に向ってそう言うたのではなく「新しき時代を生くるすべての人々に向うて、この日本を託したのだと思われます。限りなき未来に向うて。ちちははのこころもて、おたのみもうす」と―。
あれから145年たった現代の法は丸山小兵衛の目にどう映っているのだろう?
救われざる者が救われている世の中になったと胸を張って言えるだろうか?

# by Ricophoo | 2017-03-11 00:22 | | Comments(0)

あほうがらす/谷中・首ふり坂

懸賞 2017年 03月 04日 懸賞

f0036354_2310467.jpg池波正太郎著「あほうがらす」と「谷中・首ふり坂」を読了。

「あほうがらす」は多岐多彩な小説世界の枠を精選した11篇からなる短編集だ。
浅野内匠頭の説明のつけようもない二面性を照射した「火消の殿」。
武士として己の立場を貫いた男の生き様を描いた「荒木又右衛門」。
「男振」の習作ともいえる「つるつる」…等
いずれも人間と言うものの不思議さ、運命のおそろしさを江戸情緒あふれる描写で描いた
軽妙洒脱かつユーモラスな作品集で、いつものごとく池波ワールドを堪能した。

f0036354_23111742.jpg谷中・首ふり坂」もやはり11篇からなる短編集だが、
二宮金次郎を主人公にした「尊徳雲がくれ」。
真田騒動(恩田木工)に関連した「恥」と「へそ五郎騒動」。
赤穂浪士に関連した作品は「舞台うらの男」。
そして鬼平犯科帳に先駆けた作品「看板」
…とやはり池波ワールドに欠かせない普遍的なテーマである「人間」の不思議さ切なさがテンポよく描かれていて、池波先生のストーリー運びの見事さに毎度のことながら感服させられる。

なかでも盗賊・夜兎の角衛門が出てくる「看板」が良かった。

しかし、この短編集、池波先生が直木賞を受賞した昭和35年から45年の10年間に書かれた作品集なのだとか。
まさに先生の文体が剛から柔へと変化していく期間であったともいわれている。

その変化を肌で感じながら読み進めていくと、また違った味わいや醍醐味を感じられる。

# by Ricophoo | 2017-03-04 22:54 | | Comments(0)

驟雨(はしりあめ)

懸賞 2017年 02月 04日 懸賞

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藤沢周平著「驟雨」を読了。
抗い きれない運命に翻弄されながらも懸命に生きる江戸の街の市井の人々を描いた10篇からなる珠玉の短編集。
物語は江戸下町の陽もささないような裏長屋、皆一様に幸せとは言い難い暮らしの中、悲しみや切なさを抱えながらも小さな幸せの光を求めて懸命に生きている。特に女性が現代のように思うように生きていけない時代。女の幸せは男によって左右されていて、「捨てた女」、「ちきしょう」など憐れを誘う話もあるが、「遅いしあわせ」など江戸の情緒を感じさせるような映像美溢れる作品や「驟雨」、「贈り物」、「うしろ姿」、「運のつき」などオチをつければ落語にでもなりそうな人情話や滑稽話もあり珠玉と言う言葉がぴったりくる。
貧乏人から殿様まで様々な階層の人々が生きた大都市江戸。格差広がる現代の東京に名もなき庶民の生きざまを重ね合わせてみたり。なかなか味わい深い一冊。

# by Ricophoo | 2017-02-04 19:38 | Comments(0)

一之輔▪天どん ふたりがかりの会

懸賞 2017年 02月 03日 懸賞

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2/2日 座▪高円寺2で行われた春風亭一之輔さん、三遊亭天どんさんの「ふたりがかりの会 新作江戸噺十二ヶ月」に行って来ました。
江戸が舞台で、暦や季節を感じる題材の新作落語を12か月分作って聴かせてくれるという、何とも贅沢な実験的な試みの落語会です。今回は2月、3月に合いそうな噺をたっぷり聴かせてくれました。
一之輔さんの取材にNHKのテレビ番組「プロフェッショナル仕事の流儀」のカメラが来ていました。
三遊亭天どん「節分の鬼」
春風亭一之輔「手習い権助」
仲入り
春風亭一之輔「明烏」
三遊亭天どん「さぎ烏」

# by Ricophoo | 2017-02-03 00:14 | Comments(0)

よってたかって新春落語´1721世紀スペシャル寄席ONEDAY

懸賞 2017年 01月 29日 懸賞

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1/28有楽町よみうりホールで行われた、新春恒例の落語会「よってたかって新春落語´17」へ行ってきました。
出演は開口一番は前座の
●柳亭市若さん「転失気」…市馬さんの5番目のお弟子さんです。
師匠の教えに忠実に、良く通る大きな声でとても聴きやすかったです。
落語家さんにとって聴きやすい大きな声は一番の武器となる気がします。

●三遊亭兼好さん「黄金の大黒」…もうこれは言わずもがな。爆笑につぐ爆笑!
リズム良しテンポ良し歯切れある兼好さんの落語に聞き惚れました。
トランプ大統領ネタをマクラに兼好さんが、この新春落語会の弾丸スタートダッシュを決めてくれました!

●柳家喬太郎さん「小政の生い立ち」…昨年暮れからの手帳のCMなどメディアへの露出が著しい喬太郎さんですが、とうとう2月18日から新宿武蔵野館で喬太郎さん主演の映画「スプリング・ハズ・カム」が公開されるとのこと!
ウェストポーチを装着すればその着こなし(?)は右に出るものがいないと言われる喬太郎さんのスクリーンデビューが待ち遠しいです。

仲入り

●春風亭百栄さん「鼻ほしい」…落語を演じながら、落語ファンあるあるネタをシンクロさせるという斬新なマクラの巧さに思わず唸りました。落語は初めて聴く「鼻ほしい」。性病で鼻が取れてしまった侍が主人公の滑稽話です。もともと「ふにゃふにゃ」しゃべる百栄さんなのでリアル感倍増です。

●柳亭市馬さん「二番煎じ」…鯉昇さんの「二番煎じ」とはまたひと味違う市馬流「二番煎じ」は見回り部分の前半と酒盛り部分の後半としっかり楽しませてもらえます。
前半では、いやいや町内を見回る旦那衆たちの様子が夜の寒さを際立たせていました。
「火の用心」の掛け声部分は、さすが市馬さん!艶のある歌声でうっとり聴かせてくれました。
後半の禁断の酒盛りの場面に関しては鯉昇師匠と優劣つけがたし。
しし鍋をみんなでつつくシーンなど、その場の雰囲気はもとより味付け、匂い、温度まで臨場感半端なく、お腹がすいている身としては拷問にすら感じられるほどでした。
これはもう落語を超えた総合芸術といっていいほどです。
初笑いの締めは、きりりと市馬さんで終わり、今年一年いい年を過ごせそうです。

# by Ricophoo | 2017-01-29 18:58 | 落語 | Comments(0)

古典こもり

懸賞 2016年 11月 25日 懸賞

f0036354_23104671.jpg11月24日
54年ぶりに11月に初雪が降った日
東京芸術劇場プレイハウスにて「古典こもり」を観に行った。
瀧川鯉昇さんと柳家喬太郎さんの2人会。
開口一番は
立川幸之進さん【つる】
瀧川鯉昇さん【肥がめ】
柳家喬太郎さん【抜け雀】
仲入り
柳家喬太郎さん【仏馬】
瀧川鯉昇さん【二番煎じ】

あくの強い個性的な二人のことだからどんな落語会になるのかと始まる前からワクワク。
鯉昇さんの間合いと熟練の味、喬太郎さんのパンチ力、センスの良さがしのぎを削る
期待通り、いや期待以上の最高の落語会だった!
なんとトリで鯉昇さん伝説の「二番煎じ」が聴けるとは!友人と思わすハイタッチ!
しし鍋の煮込んだねぎの芯を食べてやけどをするシーンに死ぬほど笑う。
あれはまさに名人芸。

# by Ricophoo | 2016-11-25 22:50 | 落語 | Comments(0)

獅子

懸賞 2016年 11月 25日 懸賞

f0036354_2263113.jpg思えば今年前半は「真田太平記」を半ば憑りつかれたように読みふけり、毎週のように大河ドラマ「真田丸」に熱中した。真田まつりの一年だったような気がする。
で、池波正太郎著「獅子」を読む。
真田信之93歳-闘いの物語。
90歳を過ぎてなお「信濃の獅子」と謳われた真田信之、静かに隠居生活を送っていた矢先、当主信政の突然の死に伴い後継者争いが勃発、松代藩の存亡を賭けて酒井雅楽頭忠清と隠密を巻き込んだ智略を尽くした攻防戦が繰り広げられる。
真田信繁〈幸村〉や昌幸の陰でインパクトに欠けるような印象の真田信之だが、父弟に劣らぬ実は地味に凄い人物だったのだ。
関ヶ原の戦いから弟や父と袂を分かち家康に従ったのも「家名」を存続させるため。
ひたすら領国を富ませ戦国の世から廃藩置県に至るまで「真田」の家を存続させ93歳で死ぬまで信念を貫き貫き通した地味な男の強さに感銘を受けた。
また家臣の鈴木忠重〈右近〉は信之の死後、葬式を終えた後に殉死するシーンには涙した。
「真田太平記」読後に読む作品として絶対おすすめの一冊。
信之93歳、右近85歳 人の寿命が50歳くらいの時代にこの二人どんだけ長生きかという話で。しかも健康寿命半端ないな。

# by Ricophoo | 2016-11-25 22:01 | | Comments(0)

黄金の日々

懸賞 2016年 11月 23日 懸賞

f0036354_23215238.jpg毎年話題となる大河ドラマの中でもこの1978年NHKで放映された「黄金の日々」は伝説の大河とも呼ばれるほどの人気を博したドラマだった。
今年の「真田丸」でもこの作品をオマージュとして松本幸四郎演じる助左衛門を放送当時の扮装そのままの姿で登場させたほどだ。
脚本家の三谷幸喜氏の意向だというが、当時ドラマに熱狂していた私もこのにくい演出と38年ぶりの助左衛門に歓喜した!
で、懐かしさのあまり原作を読んでみた。
城山三郎著「黄金の日々」は、安土桃山時代にルソンに渡海し貿易商を営み豪商にまで上り詰めた
呂宋助左衛門と歴史に翻弄された自由商業都市 泉州・堺の町の栄枯盛衰を描いた歴史小説だ。
壮大な夢と財力を武器に為政者と対峙し、海をわたり異国で活躍していく助左衛門の気概ある生き方に痺れた!
世界的に閉塞している経済や外交問題が深刻となっている昨今、この助左衛門の日本と言う狭い枠に捉われないスケールの大きな生き方や考え方を
もっともっと今の若者にも知って欲しいと強く願う。

# by Ricophoo | 2016-11-23 22:58 | | Comments(0)

お父さんと伊藤さん

懸賞 2016年 10月 11日 懸賞

f0036354_22271489.jpg渋谷シネパレスでタナダユキ監督作品「お父さんと伊藤さん」を観てきた。
主人公の彩は書店でアルバイトをしている34歳、コンビニのバイトをしていた時に知り合ったバツイチ54歳の伊藤さんと彩のアパートで同棲している。
20歳の年の差カップルだが世代ギャップを感じさせないほど二人の暮しはいたって穏やかでつつましい。自然体で心地いい雰囲気だ。
そんなある日彩の父が兄夫婦の家を追い出され彩のアパートに転がり込んでくる。
昔から厳格で頑固な父のことが苦手だった彩は、二人だけの平凡で穏やかな暮らしを乱されることに腹を立てる。給食のおじさんをやっているという素性の知れない何だか掴みどころのない伊藤さんの存在にムッとするお父さん。そんな二人とは反対に、とくに動じる風もない伊藤さん。

こうして3人の奇妙な共同生活が始まるが、ある日お父さんが突然行方不明になってしまう…。

この映画ほのぼの映画というより社会派的な要素を多く含んだ映画である。
老人介護、空き家問題、若者の働き方や女性の子供を産まない選択等、現代社会が抱えた家族の問題をさりげなく散りばめ、こちらに向けて投げかけてくる。
良い悪いの判断ではない、それぞれの答えを探していくヒントを与えてくれる。
ヒロイン彩を演じる上野樹里、演技なのか素のままなのか分らないほどはまり役の伊藤さんを演じるリリー・フランキーの肩の力が抜けた感がたまらなく魅力的な映画だった。

# by Ricophoo | 2016-10-11 21:59 | 映画 | Comments(0)