人気ブログランキング | 話題のタグを見る

なんだったんだ

懸賞 2010年 01月 23日 懸賞

学校へ出かけていったはずの息子が数分後に血相を抱えて再び部屋に飛び込んで来た。
部屋の中でなにやらドタバタと騒いでいる。
「どうしたのだ?」と問うと「財布がない!」とテンパっている。
ドタバタと大きな音を立て、引っ掻き回して探している様子が窺える。
「どうしよう!!」「ああ!もうだめだ!」悲壮感丸出しで、この世の終わりといった面持ちで錯乱している。
昨晩の記憶を辿れば、バイトを終えて、徒歩で帰る途中、最寄のコンビニに寄りハンドクリームを購入したとのこと。
その時、確かに財布からお金を取り出したと言う。取り出した財布は会計後、ジッパー付の鞄の中にしまったということだ。

コンビニから自宅まで5分。深夜のひと気のないコンビニで盗みを働くスリがいるとも思えない。
まさかミスターマリックやデビット・カッパーフィールドが突如現れて息子の財布をイリュージョンで消してしまったとも思えない。

錯乱する息子。

「財布は家にあるね。とにかく探すことだね」

息子は小一時間ほど半狂乱になって部屋中をひっくり返して財布を捜したが、結局見つからない。
コンビニに行き、財布が届いていないか聞いてみたり、あたりも探したが見つからない。

「やっぱり、どこかで落としたか、盗まれたのかも」

またもや錯乱する息子。


財布には現金1万5000円程度が入っていたという。
他に銀行のキャッシュカード、クレジットカード、免許証、学生証、保険証などが入っている。
現金は諦めがつくとしても、カードや学生証等は悪用されたら大変だ。
そんなふうに脅すと

息子は、とうとう観念して、今度は必死になってカード会社や銀行に電話をかけて
口座の閉鎖手続きや、再発行の手続きを始めた。
学校へ行って事情を説明し、仮学生証を発行してもらい、警察へ盗難・紛失届の手続など、サクサクといろんな手続きを、びっくりするほど手際よく行った。

「済んだことは仕方ないな。早く忘れることだ。」

「落し物をするときは、心にぽっかりと穴が空いている時だ。もしかしたら大きな怪我や事故に巻き込まれていたかもしれない。財布はオマエの身代わりになったと考えれば諦めもつくだろう」

当座のお金も必要かと思い、すこし小遣いを渡した。

息子にとっては嵐のような一日だった。
夜半、バイト先から息子が帰ってきた。

「大変な一日だったな」と労いの言葉をかけた。

息子が部屋に戻るなり、大きな声を上げて部屋から飛び出してきた。
「あった!」「財布があった!」

聞けば、財布は皮のジャケットの袖の部分に引っかかっていたという。

ギギギ・・・

ったく、よく探したのかよ。

まったく言葉も出ない。
人騒がせな男である。

しかし、息子も、今回いい勉強ができたと思う。

お金をいくら積んでも、、今回のようなことは誰も決して教えてくれないし、学べない。


お金・・・そうだお金だ。


息子よ、金返せ。

by Ricophoo | 2010-01-23 00:40 | 息子ネタ

<< 嗚呼!のど自慢   鷹の爪 THE MOVIE3 ... >>