落語三昧~上方落語を聴きにいくの巻~

懸賞 2013年 12月 07日 懸賞

f0036354_1441318.jpg今年初めに火がついた落語熱でしたが、月日が流れ冷めるどころか更に過熱し続けており
東京の寄席に留まらず、とうとう上方落語を聴きに大阪までいってきました。
JR東西線「大阪天満宮」徒歩3分、天満天神繁昌亭で行われた第19回「長寿の会」。

鶴瓶さんや才賀さんなど東京の寄席に出演される上方の噺家さんの落語は何度か聴く機会がありましたが、大阪で本物の上方落語を聴くのは初めての体験です。

「長寿の会」は天満天神繁昌亭で既に19回も続いている桂歌之助さんの独演会です。
歌之助さんは桂米朝一門の中堅どころといった感じでしょうか。
歌之助さんは3代目。50代で早世した2代目師匠はあの桂米朝師匠の弟子、端正な語り口と知的ユーモア、鋭い批評性で米朝一門の鬼才と称されていた噺家さんだったそうです。
3代目歌之助さんはその2代目の唯一のお弟子さんです。
大阪の寄席を中心に活動されているようなので、なかなか東京で落語を聴くことはできないため、失礼ながらそのお名前も知らないまま、今回いきなり独演会を聴くという暴挙に出てしまいました。

●森乃石松さん【寄り合い酒】…町内の若い衆が飲み会をしたいが金がない。仕方がないので、めいめい肴を持ち寄って呑む事にしたが、料理に不慣れな男ばかりが集まったために大混乱をきたすという滑稽噺。歌之助さんに、滑舌の悪さを指摘されていた石松さん、それが逆に効を奏し、若い衆の頓馬な感じを際立たせていました。
●桂 歌之助【宗論】…息子がキリスト教信者になってしまい父親は不満でたまらない。今日も番頭さん相手に愚痴っているところに、息子が帰ってきて宗教論争(宗論)になる…。
創作落語かと思っていたら、この「宗論」実は古典の名作なんですね。歌之助さん演じる息子の「主 イエースキリストはー!」という外人牧師を真似たカタコトの台詞が出るたびに場内大爆笑でした。
●桂 歌之助【平家物語 その6】…「長寿の会」では、毎回平家物語を絵巻物のように語っていらっしゃるようです。落語の要素も取り入れながら、まるで歴史の勉強会の様相です。なかなか勉強になります。
中入に「平家転覆を密議した鹿ケ谷会議の行われた年月日」を問う小テストまであるので、話をしっかり聴いておかなければなりません。
~中入り~
●桂 歌之助【くっしゃみ講釈】…講釈師に女性とのデートを邪魔された男が、相棒と相談してこの講釈師を困らせてやろうと企む。コショウの粉を客席から七輪で燃やして煙を演台にあおぎ上げてくしゃみをさせて講釈をできなくし、恥をかかせようと考えた。相棒に言われて男がコショウを買いに行くが、物覚えの悪い男、八百屋の前で自分が何を買いにきたのかも忘れてしまう。やっとのことで思い出したが肝心のコショウが売り切れていた。そこで代わりに「トウガラシ」を買って来て講釈場に行く。丁度 講釈師が「難波戦記」の修羅場にさしかかった時。トウガラシをくすべて煙をあおぎ講釈師の鼻先にゆく、講釈師思わず「ハックション!」くしゃみの連発で講釈など語っていられない。喜んだ二人は講釈師を野次りまくる…。
講談「難波戦記」の節回しも然る事ながら、テンポ、メリハリ、キレの良さ!とにかく面白い!すべてがパーフェクト!歌之助さんの話の上手さに思わず唸りました。

東京で見る上方の落語家さん達は、皆テレビやラジオで活躍しているような人たちばかりで、見ている私たちも、「大阪の落語家さん」というイメージにとらわれすぎていたような気がします。
上方には歌之助さんのような魅力ある落語家さんが、まだまだたくさんいるのでしょうね。
今回、上方落語を本場ではじめて聴いて、大阪の落語と東京の落語の違い、それぞれの良さを目の当たりにしました。
上方落語と江戸落語の一番の違いは、見台(落語家さんの座る場所にある小机)、小拍子(小さな拍子木で普段は見台の上に置かれており、噺の合いの手などに使ったり、雰囲気を変えるために使ったりする)また演出として噺の中でお囃子を盛り込む「はめもの」があることでしょうか。はめものは高座が華やかに彩られるし、小拍子は噺にメリハリがつきます。

東京には落語が常に行われている定席が4つ(国立を入れたら5つ)あります。
上方落語を聴きに行くにあたり、大阪の寄席を探して、びっくりしたことの一つ。
大阪の落語の定席は天満天神繁昌亭が1軒のみということでした。
上方には人気落語家がたくさんいらっしゃるのになぜなのでしょう??
その唯一の定席 天満天神繁昌亭で私が感心したのは、寄席の雰囲気と客筋の良さでした。
寄席もお客さんも、気取りのなさと上品さが共存しているのが感じ取れます。
笑いに関しては、関西独特のはんなりとした寛容さと辛辣な厳しさを併せ持っている感じです。東京の浅草演芸場、新宿末広には決してない雰囲気です。

吉本や花月、松竹新喜劇、大阪は笑いの文化に溢れています。一般市民の人たちでさえ、自らが日常生活で常に笑いを追及している中、あえて落語を選んで聴くというお客さんの姿勢が寄席の雰囲気につながっているような気がします。
演じる方も聴く方も一本筋が通っているというか、目的意識を持っているところが違います。

f0036354_1402626.jpg之助さんは、サービス精神が旺盛で、演目の中の小テストの正解者に歌之助さんのシールをプレゼントしてくれたり公演終了後には、わざわざ出入り口に出てきて挨拶をしてくれました。(握手して一緒に写真まで撮ってもらいました!)
こういうことをしてくれたら、落語家さんとの距離が近くに感じられます。東京の寄席ではありえないことです。
すっかり歌之助さんのファンになってしまいました。

11月29日、大阪で初雪が降るという寒い一日、上方落語を聴いた私の落語熱は更に加速し熱くスパークしました。

by Ricophoo | 2013-12-07 01:41 | 落語 | Comments(0)

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