ブロークンフラワーズ&ドッグデイズ
2006年 05月 14日
映画のハシゴだなんて久しぶり・・。
学生時代に戻ったようだ。
一本目は、シネマライズ10時30分の回
ジム・ジャームッシュ監督作品「ブロークンフラワーズ」。
ビル・マーレイ扮する元“女たらし”のドンの元へ
ある日、差出人不明のピンクの手紙が届けられる。
その手紙には「あなたの子どもがもうすぐ19歳になる」とだけ
書かれていた。
疑惑の息子の手がかりを探して20年前に別れた恋人たちのもとへアメリカ中を旅する羽目になったドン。
元の恋人たちのそれぞれのリアクションと
ビル・マーレイの哀愁漂う困惑の表情がたまらなく良かった。
可笑しくて切なくて、味わい深い作品だった。
2本目は青山通り沿いのイメージフォーラム13時40分の回
オーストリアの映画「ドッグデイズ」。
舞台はウィーン郊外、季節は真夏
おおいぬ座のシリウスが天頂に輝く
一年で最も暑い日。―ドッグデイズ―
灼熱の太陽が降り注ぐ中、人々の行き場の無い
欲望や怒りや悲しみが暴力や狂気となって解き放たれ
ぶつかり合う。
「愛」や「神」が死んだ世界。
そこでは人々は暴力とセックスで繋がるしか
ないのだろうか?文明社会の最果てを見つめる問題作・・・・という
映画のチラシにつられて
楽しみに観にいった。
しかし・・冒頭部分から相当尋常じゃなかった。
変質的、暴力的、スクリーン全体に狂気が漂っていた。
昔観たキューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」をなんとなく
思い出してしまった。
でも、狂気と正気の境って何だろう?
この世の中でも
実際に何が正しくて何が狂っているのか
判らない。
映画より現実社会の方が
実は相当狂っているのかも?
映画の興奮を鎮めるため
帰りに「羽富」(はと)で珈琲を飲んだ。
羽富の珈琲は、とても贅沢だ。
一人一人豆を挽いてゆっくりとドリップしてくれる。
深くてまろやかな味わいでほっと一息。
緩やかな時間を過して、すっかり落ちついて帰途に着いた。
by Ricophoo | 2006-05-14 23:30 | 映画