春のスペシャルロングバージョン よってたかって、八通り

懸賞 2014年 05月 07日 懸賞

f0036354_2291655.jpg4月12日 有楽町の読売ホールで恒例の「春のスペシャルロングバージョン よってたかって、八通り ~お題は入学OR卒業~」を観てきました。

開口一番は
三遊亭兼好さん【元犬】…前座噺とも言われている元犬を実力派の兼好さんで聴くとまた一段と話に深みが出てきます。ご隠居さんが変わり者の白の事を「本当におもしろい人だね~!」と褒めると「さっきまで頭も白かったんです」というサゲにはびっくり!こういうオチもあるんですね~。新鮮でした。

春風亭百栄さん【弟子の強飯】…今まで百栄さんの本当の魅力を知らなかった自分を反省した一席でした。栄枝師匠に入門するまでのエピソードをマクラに自然と本題に引き込んでいく巧さには舌を巻きました。圓生師匠が乗り移ったような名人然とした話しぶりと身のこなし、まるで噺家になるために生まれてきたような高校生をスカウトにくる落語の師匠の噺で会場中は大爆笑。百栄さんの人気の秘密に納得の一夜となりました。

桃月庵白酒さん【喧嘩長屋】…夫婦喧嘩の仲裁に入った人間が次々と喧嘩に巻き込まれていく滑稽話。白酒さんでは2度ほど聴いたことがあります。これはもう白酒さんの十八番ですね。

三遊亭白鳥さん【ラーメン千本桜】…公園で屋台のラーメン屋を細々と営む主人公のオヤジはライバル達の策略で、ラーメンチェーンの実業家の兄とは現在絶縁関係となっている。父親の作った味を守ろうとラーメン日本一を決めるイベントに怪我をした兄の代わりに出場することになったがライバルやスパイの妨害に合い……というストーリー。昭和の吉本新喜劇を彷彿とさせるような、ベタな少年マンガっぽいテイストがファンには堪らないところでしょうか?

仲入り

春風亭一之輔さん【らくだの子ほめ】…大作「らくだ」を演じるとみせかけて「子ほめ」にシンクロ。一之輔さんの大器ぶりを垣間見た瞬間でした。もうすごいとしか言いようがない!

瀧川鯉昇さん【茶の湯】…日々の退屈さから、なにかお稽古事をはじめたいと考えたご隠居。思いついたのがかねてから興味のあった「茶の湯」。だれに習うこともなく、記憶をたよりに小僧の定吉とともにお茶をはじめてみますが「はじめに入れる青い粉」が何なのかすらわからない始末。奇妙きてれつな茶の湯で悦に入っていたご隠居と定吉はへんなお茶もどきを飲みすぎて、ついには腹痛をおこしてしまいます。
どうにも気持ちの悪いお茶の飲みっぷりはさすがの鯉昇さん!こちらまで気持ちが悪くなってきます。

柳亭市馬さん【あくび指南】…あくび指南所ができたと聞いて入門したい八五郎だが一人で行くのははずかしい。友達にそばにいるだけでいいからと頼んでついて来てもらう。さっそく師匠に習い四季のあくびのけいこ。教わった通りやろうとするが、ぎこちなくてなかなかできず師匠が何度もやって見せていると、しびれを切らせた友達が「くだらねえものを稽古してやがる。待ってる俺の身になってみろ、退屈で退屈で、ああ、退屈でならねえや」と自然にあくびが出てしまう・・・。あくび指南所とは実にシュールです。江戸時代にはいろんな変わった商売があったそうで、「猫の蚤取り」やら「喧嘩指南所」部屋の中で教える「釣り指南所」とか…江戸時代の自由でユニークな発想には感服します。
市馬さん盤石の一席。

柳家三三さん【明烏】…堅物の日向屋の若旦那の時次郎。ある日 町内のワルの源兵衛と太助に誘われ観音様裏のお稲荷さんへお籠りに行く。だがこれは堅物の息子を心配する親父が二人に頼み込んで時次郎を吉原へ連れ出す作戦だった…。テンポよく進んでいくストーリー展開。堅物の時次郎が一晩ですっかりフヤケてしまう変化がよく描かれていました。三三さんの軽妙な語り口とキレの良さが光る堂々のトリの高座でした。

by Ricophoo | 2014-05-07 22:05 | 落語

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