市馬さんに夢中 (その7)

懸賞 2014年 07月 06日 懸賞

f0036354_1314663.jpg6月25日なかのZEROホールで「市馬・喬太郎 ふたりのビックショー改め みんなのビックショー」を観てきました。

開口一番は前座の さん坊さんで「牛ほめ」

●三遊亭 天どんさん「よかちょろ」…一之輔さんが、まだ真打に上がる前の天どんさんを何度も高座でいじっていたのと、天どんさん作の「サンタ泥」を披露して爆笑させてもらったのをきっかけに、まだ見ぬ「天どん」さんに期待が膨らんでいましたが、なかなかこの日まで天どんさんの落語を聞く機会には恵まれませんでした。しかしようやく本日「初天どん」。初めて天どんさんの落語を聞くことができました。
落語もさることながら、その風貌と独特の味わいのある雰囲気は、期待以上のものでした。特にいきなり「大きなおにいさん~♪」と危ない雰囲気で歌いだした時はどうなることかと会場中を不安にさせましたが、その後の「みんなのビックショー」のムードを一気に盛り上げる導火線となったのは言うまでもありません。

●寒空 はだかさん 真空ギター漫談「東京タワーの唄」…落語会のチラシで何度かそのインパクトのあるお名前だけは知っていましたが、すべてを超越して振り切った感がある真空ギター漫談。すごいものを見てしまった(聞いてしまった)という感じです。この「みんなのビックショー」には連続10年も出場されているとのこと。
見た目はまだお若いのかと思っていましたが、こういう芸を長く続けていらっしゃる寒空はだかさんという存在を今まで知らなかった自分を深く反省しました。
「東京タワーの唄」そして「バカの壁」は聴いてしまった人たちの頭に呪いをかけるかの如く、いつまでもいつまでも手ごたえのないふわふわした感覚で頭の中でリフレインを繰り返しています。しかし寒空はだかという名前、すごいです。はだかさんって口にするのが少し恥ずかしい。

●柳家 喬太郎さん 「すみれ荘201号室」…喬太郎さんの新作落語はいつ聞いても大爆笑。
そして少しノスタルジックで少し切なさを感じさせます。
80年代の若い女性を演じるときの喬太郎さんのリアル。ぞくぞくします。
おなじみのあの名作「東京ホテトル音頭」や「イメクラ音頭」も披露して下さり「みんなのビックショー」は更に盛り上がり佳境に入っていきます。

仲入り

●ぺぺ桜井さん  ギタージョーク…クラシックの演奏家を目指して本格的にギターを学んだというペペ桜井さん。天どんさん、はだかさんと同じく今回お初にお目にかかりました。
通常のギター漫談のレベルをはるかに超えた演奏技術とちょっと寒いジョークとのギャップがたまりません。ビートたけしさんがテレビで浅草時代を語るとき必ず、このペペさんがでてくるというほど、古き良き時代の寄席を語るうえでなくてはならない存在なのかなと思います。時間の進み方が早すぎる現代において、昭和のゆっくりした時間の流れを思い出させてくれるようなぺぺ桜井さんのギタージョークに癒されます。

●柳亭 市馬さん 「片棒」…前回更新したブログ記事にも書かせて戴きましたが、この日の市馬さんには神様が降臨していました。
市馬さんの噺の面白さは言うまでもありませんがこの日は、リズムといい間合いといい勢いといいすべてが完璧に重なり合って一つの世界を紡ぎだしていました。市馬さんにより観る者、演じる者そして片棒という二次元の世界が一体化され融合され爆笑という形で会場中を包み込んでいました。

【片棒ケチで身代を築いた大店の主人。3人の倅がいるが誰に跡を継がせるかが頭痛の種。
仮想の自分の葬式で3人がどう振る舞うかを一人一人自室に呼んで聞いてみることに。
道楽者の長男はこれだけの大店に恥ずかしくない葬式を開くと言う。
派手に金を使い、見栄を張ることばかりを考える。東京中の名刹から僧侶を集めて読経の大合唱、参列者には一流料亭製の弁当を土産にお車代まで用意すると言う。こんな派手な金遣の息子にはとうてい跡は継がせられないと怒り心頭の主人。
お調子者で祭好きな次男はさらにど派手な葬式を開くと言う。「お練り」に始まり、東京中の鳶頭百人による「木遣り」そして芸者衆の手古舞に続き、終いにはケチな父親が算盤をはじく からくり人形を設えた山車が出るという。そして骨壺を中に収めた神輿を町内みんなでワッショイワッショイ!最後に骨壺を花火で打ち上げて隣町内の奴らと取り合うなどという。これじゃ死んでも死にきれない。
すがる思いで三男に話を聞くと、葬式なんぞに金は掛けたくないという。できれば「鳥葬か風葬が望ましい」とまで。これを聞いた主人は三男を頼もしく思うが…それもちょっとなあ。質素でいいから形だけはつけておくれと懇願する主人。 
それならば仕方なく葬式を出すが出棺時間を予告なしに早め参列者に振る舞う酒や弁当なども節約し、棺桶はもったいないので菜漬けの樽を利用するという。人足を雇うお金ももったいないので焼き場へ運ぶ前棒は自分で担ぐという徹底したケチぶり。しかし、後棒を担ぐ人を雇わないといけないと項垂れたところ、樽に入るはずの主人がすかさず「わたしが担ぐ!」


「葬儀」というタブーを逆手に、とことん茶化した「片棒」という話、馬鹿馬鹿しさとシュールさのバランスが大好きです。笛や太鼓や鐘、御輿の掛け声などリズミカルでテンポある部分、「木遣り唄」など市馬さんならではの見せ場も存分に楽しめるところが最高です。

by Ricophoo | 2014-07-06 12:50 | 落語

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