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サイン会に行ってきました

懸賞 2014年 08月 30日 懸賞

サイン会に行ってきました_f0036354_2305040.jpg8月30日神保町の三省堂書店で行われた高田郁先生のサイン会に行ってきました。
2週間くらい前に事前に電話予約をしていたにも関わらず、開始時間の14時から整理券配布等の諸事情により待たされること2時間半。
たかだか100名ほどのサインにそんなに時間がかかるの?と少しイライラしてきたころ整理券番号が呼び出され10人ずつエレベータで7階の部屋へ連れていかれました。
狭い部屋の中に編集者や書店関係者とみられる人たちがずらり。小さな机の前に高田先生と思しき女性が一人一人にそれは丁寧にあいさつをされ、話を聞き、サインをして、それから優しく声をかけて握手をしてくださっています。

びっくりしました!これじゃ時間がかかるわけです!
高田郁と言えば、もはや飛ぶ鳥を落とす勢いの人気女流作家です。
右から左へベルトコンベア式にサラサラとサインを書いて渡したって誰も文句など言えないくらいの大先生なのです。
その大先生が一人一人に優しく話しかけてくださるのです。
3時間も一人一人に対応するのは大変なことです。疲れるしストレスも溜まってくるでしょう。

「みをつくし料理帖が刊行されて現在までの5年間、あなたにどんなことがありましたか?」
先生はとびきりの明るい笑顔で尋ねます。

ある男性は「定年退職しました」と答えると「これからは好きなことをしてお元気で過ごしてください」と握手をし、またある女性は「離婚しました」と答えた直後感極まり思わず涙をこぼすと
「きっとこれからはいいことばかりありますよ。」と先生は優しく肩を抱いてあげていらっしゃいました。

それを見ていたらこちらも緊張して汗が吹き出し、とうとう涙まで出てきてしまいました。

サイン会と言っても声をかけたり、ましてやお話ができるなんて夢にも思わなかったため、事前に先生に伝えたいことをしたためたファンレターを用意していたので、先生に渡して訳を話すと、高田先生はとても喜んで

「偉そうにしてるより、自分はこうして一人一人の読者に実際に会って話すことがとても好きだし、戌年だから人に会うことが大好きなのだ」ということをおっしゃって下さいました。
そのほかにも作品の事などいろいろお話することができました。
そして最後に「あなたにこれからたくさんいいことがありますように!」と言って優しく手を握ってくださいました。

「みをつくし料理帖」「銀二貫」「出世花」「あい」「ふるさと銀河線」高田先生の作品にはどれも人の優しさ温もりが溢れています。

今回のサイン会で先生にお会いして先生の作品の素晴らしさは先生のお人柄そのままが描かれたものなのだと実感しました。

みをつくし最終巻「天の梯」で店主種市が澪に送るはなむけの言葉。
「なあ、お澪坊、ご神仏ってなぁ、時にとんでもなく酷いことを、情け容赦なくなさるもんだ。慈悲も何もあったもんじゃねえって仕打ちを。けれどそれに耐えて生きていれば必ず何処かに救いを用意していても下さる。俺ぁ、この齢になって、それが身に沁みるのさ」

本当の愛と優しさを知っている高田先生だからこそ書ける台詞だと今回お会いして強く感じます。

高田先生には、これからの更なるご活躍をお祈りするとともに
これからも滝のような涙を流す作品を私たちに届けてくれることを期待しています。

by Ricophoo | 2014-08-30 23:02 |

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