真打昇進襲名披露 国立演芸場5月中席公演

懸賞 2015年 05月 19日 懸賞

f0036354_2372233.jpg5月16日国立演芸場で行われた「真打昇進襲名披露5月中席公演」を観てきました。

今年3月21日 上野鈴本演芸場から始まった新真打10名の襲名披露興行が5月、この国立演芸場で最終日を迎えます。

この日は三遊亭ぬう生改め三遊亭彩大さんがトリを務めます。
彩大さんは前座名が「かぬう」。
二つ目の名前が「ぬう生」。
こんな普通の人が思いつかないような奇抜な名前をつけたのは、もちろんあの三遊亭圓丈師匠です。

彩大さんの兄弟子の三遊亭丈二さんは二つ目の時の名前が「三遊亭小田原城」!
川崎出身、小田原とは何の関係もないのに「小田原城」です。圓丈師匠のセンスが光りますね。

しかし、そんな師匠の暴走を食い止めるかのごとく今回の名前は彩大さんご自身で考え付いたのだそうです。
彩大さんはさいたま市出身。
かつての大宮の生まれだとか。それでもって出身大学が埼玉大学。埼玉大学は「さいだい」と呼ばれているので「彩大」。
(う~ん。「ぬう繋がり」で、もうひとつひねりが欲しい所でした。師匠のエキセントリックなセンスを学んでほしかった!)

●三遊亭ふう丈【たらちね】

●古今亭駒次【鉄道戦国絵巻】東横線を扱った創作落語は他の方も時々演っていますが、その中でも駒次さんの「鉄道戦国絵巻」はもう群を抜いて面白かったです!自由ヶ丘や武蔵小杉など人気の街を抱えた東急電鉄のスター東横線が東急グループから離脱し、JRに寝返った!勢力を拡大するJRに脅威を感じた東急の社長は、ついに田園都市線を始めとした「東急七人衆」を招集します。鉄道路線が戦国武士のように覇権を争って戦いを繰り広げるという奇想天外な物語は駒次さんの代表作。目蒲線や世田谷線、こどもの国線まで出てくるマニアックさにお腹を抱えて笑いました。でも東京・神奈川在住者限定の落語なので、地方の人にはなんのことやら分らないかも。

●林家彦いち【熱血!怪談部】彦いち師匠の創作らくごです!体育会系の熱血先生の指導する怪談部の話。高校時代は柔道部、大学の時は空手部所属というだけあって彦いち師匠の落語はまさに力技で新作も古典も正面からがっぷり四つ。これが「武闘派」と言われるゆえんか…。

●漫才 笑組

●三遊亭丈二【極道のバイト達】弟分が組長をつとめる東京の事務所へ訪ねて来た大阪のやくざの兄貴分。受付に出てきた若い衆の口の利き方がなっていない!組員の教育はどうなっているんだと組長に質すと、組員がなかなか集まらないのでアルバイトニュースで募集したとのこと。そうこうしているうちにひょんなことから、アルバイト希望の女子高生をこのやくざの兄貴分が面接することになりますが…天然女子高生とやくざとの全く噛み合わない会話が笑えます。よく練りこまれた噺と構成力、やはり新作落語の人なんだなあと納得しましたが、以前聴いた「権助魚」も絶品でした。古典も新作もさらりとこなす丈二さん。大器の片鱗を見せつけられた思いです。

●三遊亭金馬【試し酒】私が初めて生の落語を聴いたのは小学校5年のお正月、祖父が連れて行ってくれた全日空ホテルの落語会「三遊亭金馬独演会」でした。(今思えば、なんと贅沢な初体験でしょう!)相当面白かったのでしょう。どれだけ金馬師匠に影響を受けたのか、その後しばらくは「寿限無」や「元犬」を暗記して一人でこっそり稽古したりするほどでした。
金馬師匠が落語家になってから今年で72年なのだそうです。年齢では桂米丸師匠が最長老ですが、東西併せて落語会最古参の落語家なのだとか。当年86歳 現役続行中です。
噺の巧さ面白さは言うに及ばず、かくしゃくとした語り口と背筋の伸びた凛とした佇まいは全く年齢を感じさせず、私が初めて見た頃の金馬師匠そのままでした。

口上

●音楽漫談 ひびきわたる

●三遊亭圓丈 【噺家と万歩計】不摂生が止められない師匠が健康診断で医者に「このままだと余命数か月」だと脅され万歩計をつけることになりますが、元来怠け者の師匠は全く歩かない。そこで代りに弟子たちが争って師匠の万歩計で歩いて歩数を増やす…
円丈師匠はかつて「落語会の異端児」と評されたかと思えば「新作落語中興の祖」と称賛を受け、従来の落語のイメージを覆す作品は優に300を超すと言われています。
次はどんな新作が聴けるんだろう?老いてますます意気軒昂な円丈師匠の新作への挑戦に期待が高まります。
時々台詞を忘れ手拭に書かれたアンチョコを覗き見たりと、最近ではそこがまた新たな魅力になっているような・・・

●マジック アサダ二世 ヒザ代わりは、おなじみアサダ先生です。時間が押していて持ち時間が3分しかないから、「そのままマジックをせず帰ろうか」といつものおとぼけから入ります。短い中でもテクニックは一流。きちんとカードマジックを決めてくれました!

●三遊亭彩大【選挙ホスト】風営法や不景気の影響で店の売上が激減して頭を抱えるホストクラブの店長 翼君。世間には馬鹿を絵にかいたような議員が溢れているのだから「いっそのこと店長が政治家になったらいいんじゃね?」と周りから押されて、その気になった翼君は日本アマゾネス党から出馬することになります。演説では「女性の味方」を豪語する翼君「確かに良いこと言ってるんだけど…」ベクトルがどこかおかしな方向を向いていて笑わせてくれます。
彩大さんの落語は初めて聴きましたが発想が面白いですね。
落語家は確かに真打になって一人前ですが、真打はゴールじゃなく新たなスタートです。
真打昇進のここからが頑張りどころ。これからの彩大さんにエールを送ります。

by Ricophoo | 2015-05-19 22:25 | 落語 | Comments(0)

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