市馬さんに夢中!(その10)

懸賞 2015年 06月 15日 懸賞

f0036354_235438.jpg6月6日国立演芸場で行われた「6月上席公演」を観に行きました。
席は前から二列目の超ど真ん中。高座が目の前の特等席である意味緊張です。

開口一番は前座の春風亭百んがさんの【道具や】

●柳亭市弥さん【元犬】妻夫木聡似のルックスで主人公の白の可愛らしさが倍増です。

●春風亭百栄さん【鮑のし】久しぶりの百栄さん。声に張りのないのはいつも通りですが、顔色が冴えないのと元気がなかったのが気になります。

●のだゆきさん ピアニカパフォーマンス 救急車の音マネやコンビニに流れる音楽など、ピアニカでここまで表現できるのかとびっくりしました。

●柳家一九さん【七段目】常軌を逸した芝居マニアの若旦那と小僧の定吉との芝居でのやりとりが笑わせる一席。歌舞伎のお芝居に精通していなければ理解が難しく心から笑えません。落語を楽しむのにも勉強が必要です。

●桂南喬さん【ちりとてちん】蒸し暑い日が続いてそろそろ食中毒などの心配もし始める6月。ちりとてちんとはGOODなチョイス!実にタイムリーな落語でした。南喬さんはお発でしたが。表情の豊かさが印象的です。

仲入り

●ダーク広和さん マジック 古い時代に使われていた蒸篭を使ったマジック。いつものことながらダーク広和さんの真面目で真摯なマジックには感銘を受けます。

●柳家小のぶさん【火焔太鼓】道具やの老夫婦の感じが妙に懐かしいなあと思っていたら、以前小のぶさんで聴いていて、しかも小のぶさん以外の火焔太鼓を聞いたことがないので懐かしいのは当たり前ですね。

●昭和のいる・あした順子さん 漫才 お二人とも現在 お互いの相方が病気療養中のため、急きょ新コンビを組んでいらっしゃるのだとか。寄席のビックネーム同士の夢の競演です。あした順子さんは83歳。若々しくお元気で、背筋がピンッと伸びていて、歯切れもいいしとにかくお綺麗です。しかもきっちりと笑わせてくれるところはさすがベテラン。

●柳亭市馬さん【花筏】贔屓の落語家さんの登場でファンが掛ける掛け声は「いよっ!待ってました!たっぷり!」と言うのだそうです。
「たっぷり!」というのはもちろん「私達が満足するほどたっぷり噺を聞かせてくださいね」という意味があるのでしょう。

今日のトリを務めるのはもちろん我らが市馬さん!
実際に声を掛けることなど死んでもできませんが、心の中で思わず「たっぷり!」と掛け声を掛けました。

マクラは相撲甚句や行司のモノマネでいつものごとく自慢の美声を披露して下さいました。

今日の市馬さんの演目は「花筏」。初めて聴く落語です。
前に市馬さんで聴いた感動の「阿武松」も相撲の噺でしたが、この「花筏」も相撲を扱った珍しい演目です。

【花筏】急病で地方巡業に行けなくなった人気大関の花筏。親方は、せめて顔だけは見せなければ、と花筏にそっくりな近所の提灯屋さんに代役を頼むことに。相撲を取らなくてもいいし、手間賃もはずむからと言われて巡業に参加した提灯屋さんでしたが、地元の素人力士の千鳥ヶ浜が全勝で勝ち進んでいたため、千秋楽に花筏と対戦させなくては巡業先のお客さんが納得しないという非常事態になってしまいます。お互い再起不能の手痛い目にあわされるのではと脅える千鳥ヶ浜と提灯屋さん。親方に立ち合いで自分から倒れれば良いと策を授けられる提灯屋さんでしたが…。
軍配がかえると精神的重圧に耐えられなくなっていた千鳥ヶ浜。コワゴワ手を出した提灯屋さんの指先が千鳥ヶ浜の目に入ってしまい千鳥ヶ浜は思わず土俵に尻餅をついてしまいます。
軍配は「花筏~!」客席からは大歓声!花筏の張り手が決まったように見えたのか「さすが大関、張るのがうまいねぇ」
 張るのがうまいのもそのはず、提灯屋ですから!

現在東西合わせて落語家さんの数は700人とも800人とも言われています。
800人いれば800通りの落語があります。同じ演目でも落語家さんの個性や技量でまったく違った落語に聞こえたりします。つまり落語家さんによって、同じ噺でも面白かったり面白くなかったり・・・
しかし市馬さんはとにかく何をやっても外れがありません。古典落語の面白さをこれほどストレートに伝えてくれる落語家さんは市馬さんを置いて他にはいないような気がします。
個性豊かな創作落語も楽しいものですが、やはり私は市馬さんが演じる古典落語が大好きです。
「花筏」もっともっと市馬さんの落語を聴いてみたいと思わせてくれる一席でした。

by Ricophoo | 2015-06-15 22:58 | 落語

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