驟雨(はしりあめ)

懸賞 2017年 02月 04日 懸賞

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藤沢周平著「驟雨」を読了。
抗い きれない運命に翻弄されながらも懸命に生きる江戸の街の市井の人々を描いた10篇からなる珠玉の短編集。
物語は江戸下町の陽もささないような裏長屋、皆一様に幸せとは言い難い暮らしの中、悲しみや切なさを抱えながらも小さな幸せの光を求めて懸命に生きている。特に女性が現代のように思うように生きていけない時代。女の幸せは男によって左右されていて、「捨てた女」、「ちきしょう」など憐れを誘う話もあるが、「遅いしあわせ」など江戸の情緒を感じさせるような映像美溢れる作品や「驟雨」、「贈り物」、「うしろ姿」、「運のつき」などオチをつければ落語にでもなりそうな人情話や滑稽話もあり珠玉と言う言葉がぴったりくる。
貧乏人から殿様まで様々な階層の人々が生きた大都市江戸。格差広がる現代の東京に名もなき庶民の生きざまを重ね合わせてみたり。なかなか味わい深い一冊。

by Ricophoo | 2017-02-04 19:38

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