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65%の厄日

懸賞 2007年 09月 12日 懸賞

毎朝、渋谷から赤坂見附まで銀座線を利用している。
渋谷は始発なので、ひと電車見送れば必ず座れる。
今日も手すりから2番目の席をゲット。
本当は手すりの横がベストなのだが
手すりの直ぐ横の席に座るにはホームで3列に並ぶ時
両側のどちらかに並んでいなければならない。
皆考えることは同じなようで、なかなか両脇には並べない。
前列に並んでいても、モタモタしていると
あれよあれよと言う間にすべての席を奪われてしまうので、
ドアが開く瞬間は、ほんの数十秒だが、あたりに
ピリピリとした緊張感が走る。
なにはともあれ、今日は2番目の席をゲットできた。
メールを打つのもよし、音楽を聴くのもよし、
本や雑誌を広げるのもよし・・・見附までの数分間は
これから始まる嵐のような一日を前にして
ぼんやり座って電車に揺られる至福の時間だ。

が、今日そんな癒しの空間を突然ひとりの
太った082によってぶち壊されてしまった。
082は、私の隣の狭く開いた空間に
ぐいぐいとでかいケツをねじ込んで座ってきやがった。

陸上競技の審判がよく被っている様な
つばの浅い帽子を被り、ブレザーを着ていて
一見、フツーの082に見えた。
しかし、この082何を思ったのか突然大きな声で喋りだしたのだ。

「あぁ。遅刻だ。このままじゃ
社員の65%は遅刻だ。
こんな時間までどこ、ほっつき歩いてるんだ!」


(社員の65%とは?
どこから65という数値がはじき出されてるんだ?
社員っていったい誰を指してる?
あんたの会社の社員か?
こんな時間って・・朝なんですが。
通勤してるんですが・・・。)

かなり意味不明。
やばい082だとすぐに判った。

082よ!何も私の隣に座ることはないだろう・・・。
満員電車、もはや他の車両に移動することはおろか
立ち上がることもままならない状態。
あぁ。このまま見附までこの082の横にいなけりゃならないのか?
拷問である。万事休すだ。

082、しばらく黙っていたが
青山1丁目からまた喋り始めた。

2、3ごにょごにょ言っていたかと思ったら
少し、笑みを浮かべ
「どうやら、俺の行き先がわかったようだな・・・」とぽつり。

な、なんだよう!
誰に向って言葉を発してるんだよ!
俺の行き先って?一体どこ?
上野かよ!稲荷町かよ!そんなの誰もしらねぇよっ!

周りの乗客は、まるでそこに誰もいず、何もなかったように、ただ前を見つめている。

青山1丁目から見附までの時間が死ぬほど長く感じた。

朝から本当に嫌な汗をかいた。

帰りは帰りで表参道から乗り込んできた
にやついた082に
体を摺り寄せられ、ぶち切れそうになった。

082よ、私を怒らせないほうが良い。

息子が私のことを「地獄の女帝」と呼んでいるのを
082は知らないのだろう。

今度あったら
ただじゃおかねぇ!

ああ。今日は65%の厄日である。
ところで65%って一体なんなの?

by Ricophoo | 2007-09-12 23:13 | その他

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