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めがね

懸賞 2007年 09月 24日 懸賞

シネセゾンで上映されている、荻上直子監督作品「めがね」を観にいった。
前作「かもめ食堂」が最高にステキな映画だったため数ヶ月まえから大いに期待して公開を首を長くして待っていた。
今回の「めがね」もやはり期待は裏切らなかった!

めがね」には、ダイハードやハリーポッターみたいな派手なアクションや冒険物語、果ては魔法などはどこにも出てこない。
めくるめくストーリー展開やうっとりするようなイケ面俳優とナイスバディな女優が出てきて恋に落ちるようなそんな夢物語もない。

ただそこには「たそがれ」があるのみ。

春。小林聡美演じるタエコがたどり着いたのは、美しい砂浜と青い海、透明感あふれる日差しが降り注ぎ、爽やかな風が心地よい海辺の町。民宿ハマダの宿主ユージ、宿に出入りするちょっと変わった若い女性ハルナ、春になるとやってくる謎の常連客サクラさん。タエコを追ってやってくる青年ヨモギ。そして犬のコージ。彼女がそこで出会う人々はみんなどこか風変わりだったり、どこにでもいそうだったり…。

でも、だれもがみんな一様にたそがれ上手だ。
ここでは時間に追われたり、何かを待っているわけでも、何かにしばられているというようなことがない。
ゆるやかな時間を思い思いに過ごしている。

「何が自由か知っている」というキャッチコピーがそのままこの島にはある。
忙しい日常生活で心も身体も渇きってしまった人は、
是非この「めがね」の島を訪れて、たそがれて欲しい…。

思えば私は幼い頃から、気がつくといつも一人「たそがれて」いた。

幼稚園の体操や踊りの練習のとき、みんなが音楽に合わせて
楽しく身体を動かしている時にさえ
一人突っ立って、何をするともなく、ただ空を見上げ「たそがれて」いた。
授業中には、黒板にチョークで書かれた文字と文字の間を
ぼんやり見つめ「たそがれて」いた。
ぼーっとしているだけ…と言われてしまえば、そうかもしれない。
しかし、私は確かに「たそがれて」いたのだ。

「めがね」の中で「たそがれる才能がある」というセリフが出てくる。
「たそがれ」も才能なのか!とうれしかった。

ビールを飲みながら浜辺でたそがれる・・・

今のところの私の夢である。

by Ricophoo | 2007-09-24 12:51 | 映画

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