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懸賞 懸賞

市馬さんに夢中!(その10)

懸賞 2015年 06月 15日 懸賞

f0036354_235438.jpg6月6日国立演芸場で行われた「6月上席公演」を観に行きました。
席は前から二列目の超ど真ん中。高座が目の前の特等席である意味緊張です。

開口一番は前座の春風亭百んがさんの【道具や】

●柳亭市弥さん【元犬】妻夫木聡似のルックスで主人公の白の可愛らしさが倍増です。

●春風亭百栄さん【鮑のし】久しぶりの百栄さん。声に張りのないのはいつも通りですが、顔色が冴えないのと元気がなかったのが気になります。

●のだゆきさん ピアニカパフォーマンス 救急車の音マネやコンビニに流れる音楽など、ピアニカでここまで表現できるのかとびっくりしました。

●柳家一九さん【七段目】常軌を逸した芝居マニアの若旦那と小僧の定吉との芝居でのやりとりが笑わせる一席。歌舞伎のお芝居に精通していなければ理解が難しく心から笑えません。落語を楽しむのにも勉強が必要です。

●桂南喬さん【ちりとてちん】蒸し暑い日が続いてそろそろ食中毒などの心配もし始める6月。ちりとてちんとはGOODなチョイス!実にタイムリーな落語でした。南喬さんはお発でしたが。表情の豊かさが印象的です。

仲入り

●ダーク広和さん マジック 古い時代に使われていた蒸篭を使ったマジック。いつものことながらダーク広和さんの真面目で真摯なマジックには感銘を受けます。

●柳家小のぶさん【火焔太鼓】道具やの老夫婦の感じが妙に懐かしいなあと思っていたら、以前小のぶさんで聴いていて、しかも小のぶさん以外の火焔太鼓を聞いたことがないので懐かしいのは当たり前ですね。

●昭和のいる・あした順子さん 漫才 お二人とも現在 お互いの相方が病気療養中のため、急きょ新コンビを組んでいらっしゃるのだとか。寄席のビックネーム同士の夢の競演です。あした順子さんは83歳。若々しくお元気で、背筋がピンッと伸びていて、歯切れもいいしとにかくお綺麗です。しかもきっちりと笑わせてくれるところはさすがベテラン。

●柳亭市馬さん【花筏】贔屓の落語家さんの登場でファンが掛ける掛け声は「いよっ!待ってました!たっぷり!」と言うのだそうです。
「たっぷり!」というのはもちろん「私達が満足するほどたっぷり噺を聞かせてくださいね」という意味があるのでしょう。

今日のトリを務めるのはもちろん我らが市馬さん!
実際に声を掛けることなど死んでもできませんが、心の中で思わず「たっぷり!」と掛け声を掛けました。

マクラは相撲甚句や行司のモノマネでいつものごとく自慢の美声を披露して下さいました。

今日の市馬さんの演目は「花筏」。初めて聴く落語です。
前に市馬さんで聴いた感動の「阿武松」も相撲の噺でしたが、この「花筏」も相撲を扱った珍しい演目です。

【花筏】急病で地方巡業に行けなくなった人気大関の花筏。親方は、せめて顔だけは見せなければ、と花筏にそっくりな近所の提灯屋さんに代役を頼むことに。相撲を取らなくてもいいし、手間賃もはずむからと言われて巡業に参加した提灯屋さんでしたが、地元の素人力士の千鳥ヶ浜が全勝で勝ち進んでいたため、千秋楽に花筏と対戦させなくては巡業先のお客さんが納得しないという非常事態になってしまいます。お互い再起不能の手痛い目にあわされるのではと脅える千鳥ヶ浜と提灯屋さん。親方に立ち合いで自分から倒れれば良いと策を授けられる提灯屋さんでしたが…。
軍配がかえると精神的重圧に耐えられなくなっていた千鳥ヶ浜。コワゴワ手を出した提灯屋さんの指先が千鳥ヶ浜の目に入ってしまい千鳥ヶ浜は思わず土俵に尻餅をついてしまいます。
軍配は「花筏~!」客席からは大歓声!花筏の張り手が決まったように見えたのか「さすが大関、張るのがうまいねぇ」
 張るのがうまいのもそのはず、提灯屋ですから!

現在東西合わせて落語家さんの数は700人とも800人とも言われています。
800人いれば800通りの落語があります。同じ演目でも落語家さんの個性や技量でまったく違った落語に聞こえたりします。つまり落語家さんによって、同じ噺でも面白かったり面白くなかったり・・・
しかし市馬さんはとにかく何をやっても外れがありません。古典落語の面白さをこれほどストレートに伝えてくれる落語家さんは市馬さんを置いて他にはいないような気がします。
個性豊かな創作落語も楽しいものですが、やはり私は市馬さんが演じる古典落語が大好きです。
「花筏」もっともっと市馬さんの落語を聴いてみたいと思わせてくれる一席でした。

by Ricophoo | 2015-06-15 22:58 | 落語 | Comments(0)

真打昇進襲名披露 国立演芸場5月中席公演

懸賞 2015年 05月 19日 懸賞

f0036354_2372233.jpg5月16日国立演芸場で行われた「真打昇進襲名披露5月中席公演」を観てきました。

今年3月21日 上野鈴本演芸場から始まった新真打10名の襲名披露興行が5月、この国立演芸場で最終日を迎えます。

この日は三遊亭ぬう生改め三遊亭彩大さんがトリを務めます。
彩大さんは前座名が「かぬう」。
二つ目の名前が「ぬう生」。
こんな普通の人が思いつかないような奇抜な名前をつけたのは、もちろんあの三遊亭圓丈師匠です。

彩大さんの兄弟子の三遊亭丈二さんは二つ目の時の名前が「三遊亭小田原城」!
川崎出身、小田原とは何の関係もないのに「小田原城」です。圓丈師匠のセンスが光りますね。

しかし、そんな師匠の暴走を食い止めるかのごとく今回の名前は彩大さんご自身で考え付いたのだそうです。
彩大さんはさいたま市出身。
かつての大宮の生まれだとか。それでもって出身大学が埼玉大学。埼玉大学は「さいだい」と呼ばれているので「彩大」。
(う~ん。「ぬう繋がり」で、もうひとつひねりが欲しい所でした。師匠のエキセントリックなセンスを学んでほしかった!)

●三遊亭ふう丈【たらちね】

●古今亭駒次【鉄道戦国絵巻】東横線を扱った創作落語は他の方も時々演っていますが、その中でも駒次さんの「鉄道戦国絵巻」はもう群を抜いて面白かったです!自由ヶ丘や武蔵小杉など人気の街を抱えた東急電鉄のスター東横線が東急グループから離脱し、JRに寝返った!勢力を拡大するJRに脅威を感じた東急の社長は、ついに田園都市線を始めとした「東急七人衆」を招集します。鉄道路線が戦国武士のように覇権を争って戦いを繰り広げるという奇想天外な物語は駒次さんの代表作。目蒲線や世田谷線、こどもの国線まで出てくるマニアックさにお腹を抱えて笑いました。でも東京・神奈川在住者限定の落語なので、地方の人にはなんのことやら分らないかも。

●林家彦いち【熱血!怪談部】彦いち師匠の創作らくごです!体育会系の熱血先生の指導する怪談部の話。高校時代は柔道部、大学の時は空手部所属というだけあって彦いち師匠の落語はまさに力技で新作も古典も正面からがっぷり四つ。これが「武闘派」と言われるゆえんか…。

●漫才 笑組

●三遊亭丈二【極道のバイト達】弟分が組長をつとめる東京の事務所へ訪ねて来た大阪のやくざの兄貴分。受付に出てきた若い衆の口の利き方がなっていない!組員の教育はどうなっているんだと組長に質すと、組員がなかなか集まらないのでアルバイトニュースで募集したとのこと。そうこうしているうちにひょんなことから、アルバイト希望の女子高生をこのやくざの兄貴分が面接することになりますが…天然女子高生とやくざとの全く噛み合わない会話が笑えます。よく練りこまれた噺と構成力、やはり新作落語の人なんだなあと納得しましたが、以前聴いた「権助魚」も絶品でした。古典も新作もさらりとこなす丈二さん。大器の片鱗を見せつけられた思いです。

●三遊亭金馬【試し酒】私が初めて生の落語を聴いたのは小学校5年のお正月、祖父が連れて行ってくれた全日空ホテルの落語会「三遊亭金馬独演会」でした。(今思えば、なんと贅沢な初体験でしょう!)相当面白かったのでしょう。どれだけ金馬師匠に影響を受けたのか、その後しばらくは「寿限無」や「元犬」を暗記して一人でこっそり稽古したりするほどでした。
金馬師匠が落語家になってから今年で72年なのだそうです。年齢では桂米丸師匠が最長老ですが、東西併せて落語会最古参の落語家なのだとか。当年86歳 現役続行中です。
噺の巧さ面白さは言うに及ばず、かくしゃくとした語り口と背筋の伸びた凛とした佇まいは全く年齢を感じさせず、私が初めて見た頃の金馬師匠そのままでした。

口上

●音楽漫談 ひびきわたる

●三遊亭圓丈 【噺家と万歩計】不摂生が止められない師匠が健康診断で医者に「このままだと余命数か月」だと脅され万歩計をつけることになりますが、元来怠け者の師匠は全く歩かない。そこで代りに弟子たちが争って師匠の万歩計で歩いて歩数を増やす…
円丈師匠はかつて「落語会の異端児」と評されたかと思えば「新作落語中興の祖」と称賛を受け、従来の落語のイメージを覆す作品は優に300を超すと言われています。
次はどんな新作が聴けるんだろう?老いてますます意気軒昂な円丈師匠の新作への挑戦に期待が高まります。
時々台詞を忘れ手拭に書かれたアンチョコを覗き見たりと、最近ではそこがまた新たな魅力になっているような・・・

●マジック アサダ二世 ヒザ代わりは、おなじみアサダ先生です。時間が押していて持ち時間が3分しかないから、「そのままマジックをせず帰ろうか」といつものおとぼけから入ります。短い中でもテクニックは一流。きちんとカードマジックを決めてくれました!

●三遊亭彩大【選挙ホスト】風営法や不景気の影響で店の売上が激減して頭を抱えるホストクラブの店長 翼君。世間には馬鹿を絵にかいたような議員が溢れているのだから「いっそのこと店長が政治家になったらいいんじゃね?」と周りから押されて、その気になった翼君は日本アマゾネス党から出馬することになります。演説では「女性の味方」を豪語する翼君「確かに良いこと言ってるんだけど…」ベクトルがどこかおかしな方向を向いていて笑わせてくれます。
彩大さんの落語は初めて聴きましたが発想が面白いですね。
落語家は確かに真打になって一人前ですが、真打はゴールじゃなく新たなスタートです。
真打昇進のここからが頑張りどころ。これからの彩大さんにエールを送ります。

by Ricophoo | 2015-05-19 22:25 | 落語 | Comments(0)

シブラク

懸賞 2015年 05月 16日 懸賞

f0036354_2226870.jpg5月9日渋谷ユーロ・ライブで行われた「シブラク」夜の部を観てきました。

「シブラク」とは渋谷ユーロ・ライブで定期的に行われている「落語会」の総称。
現役学者芸人「米粒写経」のツッコミ担当サンキュータツオ氏がキュレーターを務める「シブラク」は昨年11月よりスタートし毎月第二金曜日から5日間の落語会を行っています。

一人の落語家がじっくり噺をきかせてくれる独演会(ひとり落語)や二人会(ふたり落語)、まくらのみの(まくら王)、新作落語のみを披露してくれる(創作落語)など落語に造詣の深いサンキュータツオ氏が趣向をこらした企画で寄席のない渋谷から新しい落語のスタイルを発信しています。

この日は一人の持ち時間が30分ずつの(渋谷らくご)です。

●立川志ら乃さん【長短】若手真打ながら常に挑戦の手を緩めないと評判の志ら乃師匠。むやみに気が短い男と恐ろしく気が長い男の掛け合いはメリハリがあって面白かったです。

●神田松之丞さん【青龍刀権次】講談界で唯一の若手男性講談師なのだとか。大量の汗を拭きながらの熱演。講談って面白いものですね!ルックスもいいしこれから若い女性にも人気がでるのでは?松之丞さんには更に講談界を盛り上げていって欲しいです。

●昔昔亭A太郎さん【ほれうそ】A太郎さんの飄飄とした雰囲気から繰り出すシュールなほどのバカバカしさはもう尋常の人間には予測不可能。「トリ肉」の反対がなんで「ナムル」なの?言いっぱなしで答えがない無責任さ!実はこういう芸風 意外にハマりそうです。
死のうと思っていた女性がA太郎さんの落語を聴いて「生きよう」と思ったと言う感想はなまじ嘘じゃないのかも。違う意味で。

●林家彦いちさん【青菜】シブラクでは(しゃべっちゃいなよ)と言う創作落語の新作のみを行う会もあり、その旗手をつとめるのが彦いち師匠、今回それがまさかの古典で来るとは!「鞍馬から牛若丸が出でまして!」と大きなジェスチャーとポーズで汗だくになりながら演じる落語会の武闘派 彦いち師匠の古典の十八番「青菜」が聴けたのは感激でした。

シブラクでは開演前と開演後にいろいろなお仕事の方たちを呼んで、サンキュータツオさんといろんな意見を交わすという「落語体験」というトークのコーナーがあります。
今回のゲストはミュージシャン・漫画家でもある劔樹人さんでした。
ハロプロマニアとしても有名な方で、アイドルの話など知らない世界のお話はとても興味深く勉強になりました。

こういう実験的な試みは古いとかマニアックとかいうイメージの落語の世界が更に外へ向かって広がっていくのではと言う可能性を感じます。

by Ricophoo | 2015-05-16 22:22 | 落語 | Comments(0)

おさむちゃん  ですっ!

懸賞 2015年 05月 08日 懸賞

f0036354_23284679.jpg笑いのつぼというのは人それぞれ。何がおかしいの?と言われればそれまでだが
今年の正月見事にはまった。今更ながらの「ぼんちおさむ」。
画面から波動砲を撃ち込まれたかのごとく呼吸ができなくなるくらい笑った。
ボーダーラインすれすれの際どさ、向こう側とこちら側、薄皮一枚隔てただけのヤバさに内臓を抉られた。

一年の計は元旦にあり。「今年は、ぼんちの漫才を観るためだけに大阪へいく」ことを既に正月心に決めた。

というわけで今年はGWを利用して「ぼんちの漫才」を観るべく「なんばグランド花月」へ行ってきた。
こてこての吉本新喜劇も十分堪能できたが、やはり生の「おさむちゃん」はキレっキレだった。

実は期待に胸を膨らませて臨んだ登場時のおさむちゃんの「溜め」が殆ど無くがっかりしたのだが、我らがおさむちゃん、そこで終わるわけがない!どんどん加速していくおさむちゃんのテンションはもう手が付けられない状態に…。

漫才と言うのは通常「ぼけ」と「つっこみ」の掛け合いでオチをつけていくものだが
ぼんちの漫才はおさむちゃんの「ぼけ」のみで完結してしまう。
それでは相方のまさとは要らないのでは?と思ってしまうが、本当の意味ですごいのは実はまさとなのである。
無粋な「つっこみ」を入れず、おさむちゃんを野に放し、大海を自由に泳がせ、やりたい放題やらせているまさとの間合いは絶妙だ。

「メッシ!メッシ!」「おかずも食べなさい!」

気が狂ったように連呼するおさむちゃんは もはやコントロール不能。誰も止められない。


時代のせいか、大好きだったチャンバラトリオのハリセン芸や正司敏江・玲児の「どつき漫才」が影を潜めてしまった今日この頃、一歩間違えれば…的なおさむちゃんのトランス芸がたまらない。

私たちは日ごろの憂さを晴らすため笑いを求めて寄席や劇場に足を運ぶ。
落語のように話芸を堪能するのも良し。
しかし日常の規範から心を解き放つためには森林浴で癒されるのと同じように、ボーダーラインすれすれの「ぼけ」や派手な「どつき」で爆笑するのはある種のカタルシス〈浄化〉につながるような気がする。

「ぼんちの漫才を観るためだけに大阪へいく」贅沢なGWの一日だった。

by Ricophoo | 2015-05-08 23:37 | 落語 | Comments(0)

春風亭一之輔 独演会 vol .9 一之輔のすすめ

懸賞 2015年 05月 06日 懸賞

f0036354_2213457.jpg4月25日 なかのZEROホールで行われた「春風亭一之輔 独演会VOL.9 一之輔のすすめ、レレレレレレレレレレ。」を観てきました。
●柳家小太郎「親子酒」
●春風亭一之輔「時そば」
●春風亭一之輔「堀之内」
●漫才 米粒写経
●春風亭一之輔「天災」
一之輔ファンの一之輔ファンのためだけの落語会。もう毒のあるマクラから全開でした!
心の闇を抱えた「落語家」っていうくすぐりなんか、やっぱり冴えてますね。すきがない。
一之輔さんの「時そば」は言わずもがな。
「堀之内」とトリの「天災」は初めての噺でしたが一之輔さんの勢いに巻き込まれたまま掌の上で笑わされるという表現がぴったりでした。

この日 帰りの中野駅の改札ちかくでお笑い芸人の「あばれる君」を発見。
あまり街中で芸能人と遭遇したことがない私にとってこれは貴重な体験です。
4年くらい前 目黒線永田町駅のエスカレーターでウイッキーさんとすれ違って以来の快挙。(あばれる君 意外と大きかった)

by Ricophoo | 2015-05-06 21:47 | 落語 | Comments(0)

柳の家の三人会

懸賞 2015年 05月 06日 懸賞

f0036354_2191560.jpg4月13日 めぐろパーシモンホールで行われた「柳の家の三人会」へ行ってきました。
●柳家緑君(ろっくん)「金明竹」
●柳家喬太郎「紙入れ」
●柳家三三「粗忽の釘」
●柳家花緑「二階ぞめき」
開口一番は柳家緑君さんの「金明竹」。これは「寿限無」と並ぶ言いたての心地よい噺です。
何度も言い直すことで持ち時間を調節できる噺なのですが、しかしなんだか変に長い。なんとも長い緑君の前座話に「???」首を傾げておりましたが、その理由はすぐに分りました。
二番手の喬太郎さんが時間を間違えて大幅遅刻!
(前日の市馬さんの大チョンボといい喬太郎さんの大遅刻といいレアな瞬間にまたまた立ち会えました。)喬太郎さんの「紙入れ」は初めて聴きました。古典を演じていても喬太郎さんの演じるちょっとアンニュイな女の人は80年代の風が漂っていていつも笑えます。
三三さんは前日の落語に続き抜群の安定感。それもそのはず演目は十八番三三さん得意の「粗忽の釘」!盤石です。さすが三三さん!はずれがありません。
人間国宝の柳家小さんを祖父に持つ花緑さん。そもそも貧乏暮らしをしたことがない落語会のサラブレッド。祖父のように貧乏長屋の噺は実体験がなくできないからと金持ちの若旦那の噺で「二階ぞめき」。確かに言うだけのことはありますね!(上手い)
個性と個性のぶつかり合い。楽しい落語会でした。

by Ricophoo | 2015-05-06 21:08 | 落語 | Comments(0)

よってたかってもりもり有楽町スペシャル15’春

懸賞 2015年 04月 20日 懸賞

f0036354_23224995.jpg4月12日有楽町よみうりホールで行われた「よってたかってもりもり有楽町スペシャル15’春」の夜の部を観てきました。メガネを忘れて急きょビックカメラで双眼鏡を購入。

●林家なな子さん【転失気】開口一番は来月二つ目に昇進するという林家なな子さん。伸びのある声でいたずら好きの小僧を茶目っ気たっぷりに演じていて素直な笑いで会場を沸かせてくれました。

●柳亭市馬さん…【雑俳】この日のメンツからいくとトリを務めるのは当然市馬さんだろうと思っていたら、なんと一番手!(そんなことがあるのは歌謡ショーの時くらい)
兼好さんの話だとこの日の市馬さんは「今日の出番は早いから短めの噺をやろう」と浮かれ気分だったとか。それが原因だったのか市馬さんまさかの大チョンボ!ご隠居と八五郎の掛け合いで行く流れの途中、ご隠居の台詞を一気に飛ばして会場は一瞬「????」固まりました。市馬さんも間違えるんだ!ちょっとホッとしたような。普段は絶対に見られないレアな一瞬に立ち会えたような。なんだかとっても得した気分です。
その後の市馬さん、楽屋でうなだれていたという説、悪びれず嬉しそうに弁当をほおばっていたという説。どっちもありそうでなさそうでそっちのほうが笑えました。

●三遊亭兼好さん…【お見立て】今、社会問題にもなっている「マタハラ」「パワハラ」「モラハラ」「セクハラ」をマクラで取り上げつつ、吉原を舞台にした「お見立て」でくるとは!兼好さんのブラックなセンスが光ります。リズムがあってテンポのいい兼好カラー炸裂でした。

仲入り

●春風亭一之輔さん…【茶の湯】市馬さんが確かに一之輔さんに教えた「茶の湯」。既に跡形も残っていないのだとか。プラス思考で考えるとそのくらい自分の噺にしてしまっているということでしょうか?まずいお茶とお菓子に悶絶するご隠居と定吉の表情がなんとも言えません。双眼鏡を購入して良かったと心から思った一之輔流「茶の湯」でした。

●柳家三三さん…【宿屋の仇討】源兵衛、清八、喜六は酒を飲むのも食うのも遊びに行くのもすべて一緒という悪友 自称「始終三人」。宿屋に泊って飲めや歌えのどんちゃん騒ぎが始まります。たまったものではないのが隣の部屋に泊っている萬事世話九朗という侍。この三馬鹿トリオのはっちゃけぶりと静かな部屋で眠りたい神経質な侍の対比がお見事!
キレの良さと聞き心地の良さはさすが三三さん。

by Ricophoo | 2015-04-20 23:15 | 落語 | Comments(0)

2015年初笑い おおもり落語会

懸賞 2015年 01月 14日 懸賞

f0036354_2251911.jpg2015年の初笑いは大田文化の森ホールで行われたおおもり落語会。

チラシを観て一之輔さんと正楽さん目当てで出かけました。
これだけのメンツでチケット代が破格の安さ!

大田区出身の若手落語家さんによるおおもり落語会は今回で13回目とのこと。歌太郎さんが山王出身、時松さんが中央出身、市江さんが石川台出身だとか。

●柳亭市助『弥次郎』…交通事情とアクセスの悪さで到着が大幅に遅れ市助さんの落語が聴けなかったのが残念です。
今年二つ目に昇進する市助さん、座布団を裏返したり、紙切りの後の片付けの所作などきびきびしていて、それでいて立ち居振る舞いに品があり感心しました。

●三遊亭歌太郎『初天神』…初めて聴く歌太郎さん。金坊のわがままでこまっしゃくれた感じが良かったです。耳触りがよく聞きやすいしメリハリが効いていてまた次回が楽しみな噺家さんです。

●春風亭一之輔『笠碁』…演じる人によってずいぶんと頭に浮かんでくる情景や人物像が変わってくる噺だという気がしました。隠居の年寄の碁敵の話なので欲を言えば重厚さが欲しい所でしょうか…。でもなんだかんだ言ってもやっぱり一之輔さんは今一番勢いがある噺家さんですね。毒気と色気のバランスが絶妙です。

●三遊亭時松『蒟蒻問答』…にわか住職になった蒟蒻屋の主人が旅僧に禅問答をしかけられ蒟蒻の出来具合にたとえてとんちんかんなしぐさで応戦。旅僧はそれを無言の行と取り違え敬服するという滑稽噺。後半部分の禅問答の場面は無言でパントマイムのような動作のみによって行われることからこういう類の噺を「仕方(しかた)噺」と言うそうです。
時松さんの力強い落語が印象的でした。

●林家正楽『紙切り』…はさみ試しにお正月らしい「羽根突き」と「相合傘」。会場からの注文では「蛙の餅つき」「初日の出」「出初め式」「七福神」でした。さすが正楽師匠、盤石の名人芸です。

●柳亭市江『禁酒番屋』…以前白酒さんで聴いたことのある噺です。かなり毒のある噺なので、白酒さんのような毒をもって毒を制する感がなければ扱えない噺のような気がします。
市江さんは性格の良さが災いしてか真面目に一生懸命正面から演じているので、こちらも真面目に一生懸命に聞いてしまいます。そういう話じゃないだけにちょっと残念!

若手の方達の落語会というのはフレッシュなパワーが感じられてなかなかいいものです。
若手落語家さんたちによる落語会は、カフェや居酒屋、ライブハウスなど小さなスペースを利用して毎日様々な場所で行われています。今年はこうした小さな落語会へも時々足を運んでみようかと思っています。

by Ricophoo | 2015-01-14 22:38 | 落語 | Comments(0)

恒例 年忘れ 市馬落語集

懸賞 2015年 01月 05日 懸賞

f0036354_231326.jpg12月26日新宿文化センター大ホールにて行われた「恒例 年忘れ 市馬落語集」へ行ってきました。
「年忘れ 市馬落語集」と言えば言わずと知れた市馬さんによる市馬さんのための歌謡ショーです。
市馬さん大暴走の中、ファンはすっかり取り残されそうになりながら、市馬さんの喜ぶ顔見たさに歌に合わせ手拍子を叩き、狂ったようにペンライト振るのです。
とりあえず「落語集」と銘打っているので第一部は豪華花形落語家さんたちによる落語の競演です。

●前座 柳亭市馬さん 「厄払い」
●春風亭一之輔さん 「時そば」
●柳家三三さん 「釜どろ」
●桃月庵白酒さん 「喧嘩長屋」

落語協会の会長が前座を務めるなんて言うのはこの「恒例 年忘れ 市馬落語集」だけですね。
メインが歌謡ショーなのでみんな落語はさらりと流した感じ。
落語が長びくと温厚な市馬さんの機嫌が悪くなってくるとか・・・そんな中でこの日の一之輔さんの落語はキレキレでした。
東京の落語家さんの中では人気実力はもとより、今一番勢いのあるのが、この一之輔さんではないかと思います。更に進化をし続ける一之輔さん恐るべし。

と言うわけで第二部はいよいよ昭和歌謡大全集の始まりです.

【演奏】クミ伊藤とニューサウンズオーケストラ(落語協会副会長の正蔵さんが今年もトランペット奏者として出演です)

【司会】林家たけ平さんとオフィスエムズの加藤浩さん。〈年を追うごとに司会に磨きがかかってきています。)

そしてなんと今回のゲストは柳家喬太郎さん!
落語をやってくれるものだとばかり思っていたら歌のゲストとして出演。
あの名曲「東京ホテトル音頭」を披露して下さいました。

曲目は以下のとおり
市馬さんが好んで歌っているのはどうやら戦前の曲のようです。
昭和36年生まれの市馬さん、どうしてそんなに古い歌を知ってるの??

●丘を越えて
●或る雨の午後
●建設の唄
●一杯のコーヒーから
●新雪
●東京の空青い空
●大利根月夜
●花の三度笠
●赤城の子守唄
●花のロマンス航路
●落ち葉しぐれ
●元気でね左様なら
●あん時ゃどしゃ降り
●赤い夕陽の故郷
●吹けば飛ぶよな
●男のブルース
●さよなら港

ラストは出演者全員、会場中巻き込んでの「青い山脈」の大合唱。
実はここでの楽しみは着物を脱いだ出演者の方々の私服。
三三さんはオシャレに決めていましたが
みなさんの私服のセンスには結構落語以上に笑わせてくれるものがありました。

歌謡ショーとは言いつつ前回もそうでしたが、ほとんど知らない曲ばかり。知っているのは「丘を越えて」と「赤城の子守唄」くらい。
ノリノリなのは市馬さんとオフィスエムズの加藤さんだけで、年配のお客様が多くみられる会場中も結構ドン引き・・・
でもいいんです。
これは市馬さんの市馬さんのための市馬さんによる歌謡ショーなんですから!
市馬さんファンは市馬さんの喜ぶ顔を見られる年に一度のこの「黒ミサ」を心待ちにしているのです。
「恒例 年忘れ 市馬落語集」今年もこれで安心して年を越すことができます。

by Ricophoo | 2015-01-05 22:47 | 落語 | Comments(0)

市馬さんに夢中(その9)

懸賞 2014年 08月 24日 懸賞

f0036354_2159531.jpg8月23日に新宿末廣亭8月下席昼の部を観てきました。
本日は、円丈師匠に権太楼師匠など豪華出演者が目白押しで、しかもトリが市馬さんです。なので12時過ぎに会場入りするも既に椅子席はほぼ埋まっていましたが、それでも何とか前から2列目に潜り込むことができたのはラッキーでした。

本日の出演と演目は以下のとおり(かなりうろ覚え)






●柳亭 市江さん…「権助魚」 今まで聞いた市江さんの落語の中で一番よかった。

●ストレート松浦さん…ジャグリング 傘を操るジャグリングは手品みたいで凄かった。

●(出演者・演目不明)

●夢月亭 清麿さん…「東急線駅長会議」 地元ネタに毎回わかっていても笑わされます。祐天寺がかわいそう(笑)

●ホンキートンクさん…漫才 テンポのいい息の合った漫才にお腹をかかえて笑いました。ヘビの手つきがかわいい。

●三遊亭 歌武蔵さん…「犬の目」 見た目そのままの歌武蔵さんのダイナミックで豪放磊落な落語は清々しささえ感じます。

●柳亭 左楽さん…「目薬」 字が読めない夫婦のとんまなやり取りが笑わせる滑稽話。こういうナンセンスがたまりません。

●林家 正楽さん…紙切り 小手調べに線香花火。客席からのお題は恵比寿大黒、フレンチブルドック、そしてなんと市馬師匠!その手があったか…!先を越された〈無念 >Д<〉

●金原亭 駒三さん…「親子酒」 駒三さんの何とも言えない飲みっぷりが最高でした。

●柳家 権太楼さん…「代書屋」 権太楼師匠の鉄板ネタ代書屋!まさに名人芸です。権太楼さんファンならずとも絶対聴いておくべし。

●三増 紋之助さん…曲独楽 小さい独楽を5つ並べて、その中の1つだけを回す技がなかなか決まらず会場中祈るような気持ちで紋之助さんを応援。会場中が一つになった瞬間でした。

●三遊亭 円丈さん…創作落語 アフガニスタンの落語家が登場する奇想天外すぎる円丈ワールドが炸裂!

仲入り

●柳家 小三太さん…「たらちね」やたらと丁寧な言葉遣いのお嫁さんをもらった八五郎。コミュニケーションのベクトルの違う二人のやり取りは無条件に笑えます。

●すず風 にゃんこ・金魚さん…漫才 動物エアロビ以外に初めて聞く新ネタに感激しました。金魚師匠はいつ見てもかわいい。

●柳家 小里んさん…「へっつい幽霊」 小里んさんの江戸言葉はいつ聞いても小気味よくて気持ちいい!それもそのはず、プロフィールを見たら浅草生まれとのこと。
生粋の江戸っ子の落語家って実はそんなにいないのかも。

●柳家 小袁治さん…「千両みかん」 格差社会って言葉を思い出します。滑稽話ですが切ない話です。

f0036354_2204267.jpg●アサダ二世さん…マジック トリの市馬さんのヒザ替わりはやはりアサダ先生ですね。
おなじみ「夏は汗をかくから手品がやりにくい」という一声から始まります。
言い訳やおとぼけを呟きつつ、実はきっちりマジックを魅せてくれるアサダ先生。
実は今日 ロープの結び目が取れるマジックを行った直後、その結び目を私めがけて投げてくださいました!(ヤッタ!)この結び目は宝物にします。

●柳亭 市馬さん…【笠碁】碁はうまいか下手かにかかわらず、同じレベルの相手こそが好敵手。待ったなしのルールで碁を始めた二人の旦那、「待て」「待てない」の言い合いになり昔の借金の話まで出てとうとう喧嘩別れに。碁敵を失った旦那は、雨の日など暇で仕方ない。敵も相手が来るのを待ちわびていた。菅笠を被り碁敵の家の前を行ったり来たりする旦那。お互い仲直りの一言が言い出せないが「やい、へぼ」としびれを切らして声をかけた。仲直りして碁を打ち始めるが碁盤にしずくが落ちてきてふと顔を見上げると、碁敵はまだ笠を被ったままだった…

市馬さん落語で初めて聴く演目です。登場人物が少なく、ほぼ二人のやりとりに終始します。
なんでもない噺ですがこういう何でもない噺に人間の心情や機微を実にうまく織り込むことができるのが市馬さんなのです。
二人の意地の張り合いと、お互いがお互いのプライドを守りつつ何とか仲直りをしたいと思っている可愛らしさと…
もともとは上方の話だったようですが、この笠碁は江戸っ子の意地っ張りなところが良く現されていて江戸落語の本質を突いた噺ではないでしょうか?

by Ricophoo | 2014-08-24 21:36 | 落語 | Comments(0)