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街のあかり

懸賞 2007年 07月 23日 懸賞

f0036354_22524942.jpg渋谷のユーロスペースで、アキ・カウリスマキの
「街のあかり」を観て来た。
「浮き雲」「過去のない男」に続く
敗者3部作の完結編だという。

アキ・カウリスマキはフィンランドの映画監督だ。
北欧の映画は、カウリスマキを始めとして
あまりなじみがないという人も多い。
特に派手なアクションや華やかなストーリー展開が
あるわけではないが、実に味わい深い作品が多い。
北欧の映画は、近年の北欧ブームも手伝ってか
少しずつ確実にコアなファンを増やしている。
このアキ・カウリスマキはその中でも特に人気のある監督だ。
例えばルキノ・ヴィスコンティやフェデリコ・フェリーニ…
日本でいうところの小津安二郎や山田洋二のような感じと言ったら分かりやすいかもしれない。
と言うのもそれがたとえ、映画監督の名を伏せて
上映されていたとしても「その監督」の作品だということが
直ぐに分かるような、そういう独特の世界、独自のカラーをもった映画監督なのだ。

「煙草、犬、不幸…。カウリスマキ節はもはや古典芸能である。
僕はこの映画を能のように観た」とクリエーターのいとうせいこうさんが
チラシでコメントしていたが、まさに言いえて妙である。

「犬のように従順でロマンチストで馬鹿」な男コイスティネン。
夜間の警備員の仕事をしている彼は、
一人の友人もなく、彼を見守る家族もなく、もちろん愛する恋人もない
文字通り、一人ぼっちで孤独な生活を送っていた。

ヘルシンキの町の夕暮れ、ポツポツと街の明かりがともるころ
彼は一人、警備の仕事をするために街を歩いている。

友だちがほしくても、みんなが彼を無視する。
女性も誰一人相手にしてくれない・・・
起業をしようと銀行に融資を依頼するが、学歴も保証人も担保もない
そんな男にお金を貸してくれるわけがない。

みんなが彼を負け犬という。
しかし、ただ一人ソーセージ屋台の女性だけは
彼を温かく見守っている。

でも彼はそのソーセージ屋台にほのかに灯る、温かい明かりは目に入らなかった。

ただひたすら、真面目でコツコツとつつましやかに生きている
そんなコイスティネンの前に或る日突然美しい女性が現れる。
彼はひと目で恋に落ちる。

実直すぎてぎこちなく、笑っちゃうほど不器用な恋。
その後彼に訪れる、悲惨な裏切りと転落…。
それでも彼は一度信じたものをひたすら信じ続け、
結果絶望の淵に追い込まれてしまう。

断崖絶壁の不幸の谷に叩き落されたコイスティネンが
谷底で傷だらけになり、そこで見つけたものは
谷底に吹く爽やかな風と眩しい青空、心にともる温かい光、それは
人間が生きるために必要な希望の光だったのかも知れない。

カウリスマキ節、ここに健在!
静かに心を揺さぶられる作品に出会ってしまった。

by Ricophoo | 2007-07-23 23:09 | 映画 | Comments(3)

激走☆小布施見にマラソン

懸賞 2007年 07月 19日 懸賞

7月14日、確実に台風は本州に近づいていた。
沖縄では風速50メートルを越す暴風雨が吹き荒れたという
7月の観測史上最大の台風がそこまで来ている。

そんななか、15日早朝に長野県小布施町で行なわれるはずの
「小布施見にマラソン」に参加すべく
「雨なら走らないも~ん!」と甘えた3歳児のごとく
駄々をこねる、我が師匠を引き連れ
私達は長野新幹線「あさま」へと乗り込んだ。

大会の開催も危ぶまれていたが、とにかく現地へ行ってから考えようと
大会受付会場の小布施町を目差す。
長野駅から長野電鉄に乗り換え40分。
いよいよ小布施町へ到着した。

小布施はどんよりとした曇り空で小雨がぱらつく程度。
台風は果たして近づいているのだろうか?
小布施駅から歩いて15分、前日受付会場になっている逢瀬神社へ向う。

f0036354_1394610.jpg千曲川と松川がこの地で出合う逢瀬(おうせ)から
小布施の語源が来ているのだという。
参加通知と一緒に入っていた「逢瀬神社」のお守りによると「小布施を見て楽しみながら走る」という志は「run day view」(ランデヴー)と発音すると「逢瀬」に繋がる・・・とうまいことが書いてあった。

そんなロマンティックなレース、せっかくここまで来たのだから
是非走ってみたい!
師匠といえば、「雨だったら走らないもんね~♪」と、まだ寝ぼけたことを言っている。

受付会場は早々と受付を行なったランナー達や
「小布施音楽祭」とのコラボでバイオリンを奏でる女性や
ボランティアの女子高生達でごった返していた。
主催者の女性が外国人ということもあり
ボランティアの中には流暢な日本語で説明してくれる
外人の姿も多く見られた。

f0036354_146066.jpg受付を済ませ小布施駅へ帰る途中
有名な小布施羊羹のお店でお土産を買い
北斎館近くのおやきのお店で師匠と
大根やにら、野沢菜のおやきを食す。
サービスできゅうりのお漬物までついてきたが
きゅうりは師匠の大好物。あっというまに師匠が食べてしまった。
その後やっぱり信州に来たからには「蕎麦でしょう!」と言う事で
近くのお蕎麦屋さんでお蕎麦も食す。
びっくりするくらい山盛りで680円。死ぬほど食べてカーボローディング完了。

f0036354_21249100.jpg長野駅で師匠と別れ、友人宅へ。
夜遅くまで飲み明かす。ちょいとカラオケも。







翌早朝、台風はまだ来ていない模様。
どんよりとした厚い雲に覆われて、時折パラパラと霧雨が降る程度。
風もない・・・・。台風は一体どこへ行ったんだ!
暴風雨の中のレースを覚悟していただけに狐につままれたような感じ。

5時過ぎの長野電鉄で小布施へと向う。
改札でゼッケンを見せれば、切符は要らないという!なんという粋な計らい。

f0036354_274161.jpg小布施駅へ着くと
いたいた!師匠。
些か不満顔で立っている。
雨も風もない絶好のマラソン日和に、どうやら観念した様子。
着替えた師匠を見ると、あれぇ?ランパンランシャツじゃないすか。
なんだかんだ言いながら、本気モードしっかり入ってるし。

アップをする前にうろうろしていると
zepさんとバッタリ会う。御家族で旅行がてら小布施のレースに参加するという。
zepさんは50歳を過ぎているのに見た目は30代半ばといっても
過言でないくらい若く見える。
しかも毎回のように自己ベストをたたき出すサブスリーランナー。
お会いするだけでパワーをもらえる不思議な魅力をもった人。
師匠と共にレースでのお互いの健闘をたたえ合い別れる。

小布施見にマラソンは今年で5回目。
第一回目は800人の参加だったという。
年々参加者が増え、なんと今回は4800人ものエントリーがあったらしい。
しかし、台風の影響で来られなかった人を差し引いて
この日は3800人の参加となったそうだ。

ゲストは東洋大学駅伝部監督の川嶋伸次さん、
マラソン解説でも有名な日本ランナーズの金哲彦さんだ。

主催者セーラさんの挨拶の後
小布施町消防団ラッパ隊の音の外れたファンファーレと共に
スタート!小布施見にマラソン、21・19キロの旅の始まりだ。

スタート直後、師匠が「トイレに行きたいお!」といつもの事ながらぐずぐず言っているので
知らんぷりしていたら、いつの間にか行方をくらましてしまった。

入りは抑えて。スタートの混雑の中、転ばないよう足元を見ながら走る。

のどかなりんご畑、栗の木畑の間、民家の裏庭を通り、
あぜ道あり、小刻みなアップダウンもあり、急カーブに、砂利道に・・・
結構タフなコースだ。
なるほどこれが、小布施は「記録を残す大会ではなく記憶に残る大会」と言われる所以か。

4キロを過ぎたころ、突如師匠が目の前に現れる。(といっても後ろから)
聞けばトイレに行きたかったけど、トイレは長蛇の列で
いけなかったので途中で立ち○ョンをしていたと言う。
そうこうしているうちに戦意を失い、今日はファンランを決め込み、私の併走を
行なってくれるという。うれしいような、恐ろしいような・・。

いろいろと師匠が話しかけてくるが
こちとらちょっとオーバーペースで息も絶え絶え・・・
完全に無視を決め込む。ていうか、応える余裕がないっつーか。

給水所ごとに師匠、紙コップの水を持ってきて渡してくれる。
師匠って優しいなぁ☆
それに人に持ってきてもらう水はなんと美味しいことか!
え?ん、待てよ。師匠はさっき立ち○ョンしてたというぢゃないか・・・。
無論手も洗ってないはずだ。
ゲロゲロ・・・・くそっ☆はめられた!

5キロ、23分・・・キツイなぁ。
10キロ地点通過、47分。
ありゃりゃ・・・まいったな、お腹がシクシクと痛み出した。
ちょいヤバ。最後まで持つか?

容赦のない師匠の激が飛ぶ。

「あのチョンマゲを抜け!」
「トナカイを抜け!」って・・・
おいおい!私のペースってものもあるんですが。

なんとか得意の下り坂でトナカイ&チョンマゲコンビをやり過ごす。

「次はあの女性を抜け!」
無理無理!レベルが違うの一目瞭然す。
腹も痛いし。
聞こえなかった振りをする。

おっと!エイドに山積みのきゅうり!
ふと横を見ると師匠がいない。
後ろで両手いっぱいにきゅうりを握り締めた師匠が
嬉々としてきゅうりを食らっている。
走りながら食べられるわけがない!
案の定「ゴホッ!ゴホッ!」きゅうりが喉につかえて
咳き込んでいる。
なんだかなぁ・・・。まったく幸せなお人だ。
大好きなきゅうりを握り締め嬉しそうに微笑んでいる。

その後も師匠は容赦ない激を飛ばしてくる。
「ペースが落ちてるぞ!」「もっと行ける!」
もっと行けると言われたら、行けそうな気もするが
いかんせん体がついていかない。

13キロ地点、女性が一人前を行く。
池のように大きな水溜りが立ちはだかる。
まるで「サスケ」みたいだ。こうなりゃ、ヤケだ。
水溜りの中で大きな水しぶきを上げ女性を抜いた。
師匠が「ふうん・・・」という冷たい視線を送ってきた。
え?なんだよう!
師匠が抜けって言ったんぢゃないかぁ。
悪いかよお☆

f0036354_1125284.jpg「あと1キロ、ラストキレイに決めていこう!」
公園内に入ると同時にジョグノートのとよさんに会う!
なんと言う偶然。
しかしとよさんを見つけ、あと1周公園内を走らなければならないことを知る。
公園内に入ればゴールだと思っていたので、気持ちがぷっつりと切れてしまった。
突如体に力が入らなくなる。
ラストもスパートできずにゆるゆるの不甲斐無いゴール。
結果は1時間42分17秒。
師匠直々に叱咤激励してくださったレースだったのに
まったく不本意な結果に終わってしまった。

師匠の記録によれば
5キロ4分42、6キロ4分49、7キロ4分58、8キロ4分48、9キロ4分30
10キロ4分36、11キロ4分37、12キロ4分57、13キロ4分48、14キロ4分46
15キロ4分48、16キロ5分4、17キロ4分54、18キロ4分51、19キロ4分58、
20キロ4分54

ゴール後は、スイカ、トマト、きゅうり、オレンジ、グレープフルーツ、ももの食べ放題。

もちろん師匠は持ちきれないほどのきゅうりを抱え、味噌をつけて、嬉々として食らっている。
本当にきゅうりが好きなんだなぁ・・・。
もしかしたら、頭にお皿が乗っかってるかもしれない。
いつかしらべてやろう。

f0036354_21919.jpg完走証をもらったら、総合16位、年代別5位入賞だという。入賞が嬉しくないといえばそうではないが
ゴールでガッツポーズがでるような会心の走りができなかったので微妙な心持だ。

ゴール後10キロ過ぎから続いていた腹痛が再発、
表彰式も待たずに賞品だけは師匠が取ってきてくれて
逃げるように帰ってきた。

終わってみれば台風はどこへやら、終始雨も風も日差しもない
絶好のマラソン日和。
のんびりとした小布施の町並み、町の人たち総出の温かい応援、
美味しい空気と、美味しいフルーツ。
このレースの人気の秘密を肌で実感した一日だった。
来年もまたこの素晴らしい小布施の町を
走ってみたい。

by Ricophoo | 2007-07-19 01:02 | スポーツ | Comments(10)

七夕に寄せて

懸賞 2007年 07月 06日 懸賞

もうすぐ七夕である。
クリスマスやら、お正月やら、バレンタインデーに比べると
かなり地味な行事だけれど、やっぱり七夕は七夕なのである。
天の川の真ん中で繰り広げられる、彦星と織姫の年に一度のランデヴー。
ロマンティックでちょっと切ない恋人達のラブラブな一日。
クリスマスとまではいかなくても
世間ももう少し派手に祝ってあげてもいいような気がする。

f0036354_0585012.jpg子供が小さな頃は、この季節になると
どこかの竹やぶから笹をこっそりTAKEOUTして
七夕飾りや短冊にあれこれと願い事など書いて大いに盛り上がったものである。
しかし子供も成長した今は、七夕もただの7月7日以外の何ものでもなくなってしまった。淋しい限りである。

七夕は、中国から伝わるものなのか日本古来のものなのか
短冊に願いを書いて祈りを捧げる・・・なんてなかなか
風情があっていいものだ。

先日、会社近くの小学校の前を通りかかったら
街路樹や街灯に小学生達が書いた
短冊や七夕飾りが飾られていた。
いろんな願い事が書かれてあった。


f0036354_0593015.jpg眺めていると
この一枚の短冊に目が釘付けになった。
今から三十数年前、確かに私もこの短冊と同じことを書いた覚えがある。
「さんすうがとくいになりますように」
毎年毎年、何度この言葉を短冊に書き祈りを捧げてきたことか・・・。
しかし、この願い虚しく現在40も半ばになろうというのに
5から上の数字にめっぽう弱い。
10以上の数になると、なんだかあやふやになってくる。
20を超えると、もうパニック。
ただおろおろするばかり・・・。
なので数字を見ると今でも頭が痛くなる。
ちっとも得意になどならなかった。
ちくしょー!七夕の願いなど・・・・くそくらえだ。

他の短冊に目をやると風にふわふわと揺れながら
子供たちのいろんな願いが笹の葉にぶら下がっている。
「バレエが上手になりますように」
「野球がうまくなりたい」
「ニンテンドーがほしい」等・・・昔から変わらない、子供らしい願いにホッとする。

「テストで80点以上が取りたい」っていうのもあった。
なんだか中途半端っていうか、夢がないっていうか、微妙っていうか・・・。

「優しい性格になりたい」っていうのもあったな・・・。
見ていて涙が出そうになった。
おばさんも、それは永遠のテーマなんだよ。

f0036354_1265591.jpgf0036354_1271597.jpg
「地球温暖化がなくなりますように」
「クラスのみんなの夢が叶えられますように」

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・
世の中の汚れた大人たちよ!
自分さえよけば良いと考えるふとどき者よ!
しっかりとこの短冊を見るがよい!

はああぁ。私が悪うございました。この40女めも明日から日々の暮らしを悔い改め
この短冊に恥じぬ様しっかりと大地を踏みしめ
まっとうに真っ直ぐに
生きていく所存でございます。

う~ん。
イマドキの小学生もなかなかやるなぁ。
ニッポンの将来も安泰だ。

by Ricophoo | 2007-07-06 01:40 | | Comments(2)