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没後50年 横山大観展

懸賞 2008年 02月 11日 懸賞

f0036354_23264258.jpg六本木、国立新美術館へ
「没後50年 横山大観 ~新たなる伝説へ~」を観に行った。

横山大観と言えば
明治、大正、昭和を代表する
国民的画家の一人である。

横山大観が90歳で亡くなって今年で50年目なのだそうだ。


なんといっても、この回顧展の大きな目玉は
全長40メートルを超える大作画巻「生々流転」である。
「生々流転」とは、万物が移り変わって変化し続けること。
山奥の霧が葉の露となって流れ落ち、
やがて渓流から大河となり、
最後は海に注ぎ込み、
竜になって天に昇るという「水の一生」が
柔らかくも力強い水墨画で描かれている。
息を呑む様な迫力で描かれる水の流れは
観る者の心を捉えて放さない。
しかし、ところどころに、描かれる人々の生活や
川辺にいる動物などが、ほっと優しい気持ちにさせてくれる。

f0036354_23272489.jpg第二の目玉は、大観作品のなかでも
飛び抜けて華やかな
「夜桜」と「紅葉」だ。

豪華絢爛なこの2作品が並べて展示されているのは圧巻だった。
また、初期の有名な作品「無我」
芸大の卒業作品の「村童観猿翁」も観られる。

また、ボストン美術館が所蔵する
「帰牧図」「金魚図」「月夜の波図」「海図」の4作品の展示も
里帰りは珍しく、なかなか観られない作品なので嬉しい限りだ。

私が今回特に一番印象的だったのは「迷児」という作品だ。

キリスト・孔子・仏陀・老子が集る傍に
幼い少女が一人佇んでいる。
その表情は頑ななまでに、一点をみつめ無表情だ。
それに引きかえ、傍にいる偉人達は
優しい人間的な
まなざしを浮かべ少女を見つめ、見守り、微笑む…
温かな春の陽だまりの中に身をおいているように感じる。

本当の意味の宗教というのは、この絵の中に
集約されているのではないかと思う。

4偉人の優しい問いかけやまなざしに
一点を見つめ続ける少女。
どこへいこうとしているのか
迷い悩んでいるようにも見えるその表情は
何を表現しているのか。

21世紀のこの時代は
すべてを受け入れていく
すべてを認めていく時代だと思う。
人種も、宗教も、言葉も、音楽も、思想も・・・

そんな時代が来たのだと
没後50年、時代を超えて
大観は絵画の中から訴えかけている。

人の世も、すべては「生々流転」なのだから。

by Ricophoo | 2008-02-11 23:21 | アート