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縞模様のパジャマの少年

懸賞 2009年 08月 30日 懸賞

f0036354_23291291.jpg恵比寿ガーデンシネマで、マーク・ハーマン監督作品
縞模様のパジャマの少年」を観て来た。


フェンス越しに向かい合う二人の少年の姿を写す映画チラシは
一見ほのぼのとしたファンタジー映画を想像させた。
しかし、この映画はファンタジーでも少年の冒険物語でもなく
心も体も凍りつくような恐ろしい映画だった。

時は、第二次世界大戦下のドイツ──8歳のブルーノは、ナチス将校の父の昇進で、
家族とともにベルリンから車や列車を乗り継ぎ、遥か離れた田舎町に引越してくる。
学校へも通えず、遊び相手もなく退屈な毎日を送る彼は、
ある日母親から禁止されていた裏庭を探検し、その奥の森を抜け、
有刺鉄線で囲まれた奇妙な<農場>を発見する。

そこには、昼間なのに縞模様のパジャマを着た少年がいた。
彼の名はシュムエル。

有刺鉄線の向こうは、まさしくあの、ホロコーストだったのだ。

同い年の彼らはいつしか心を通わせてゆく。
「君は、どうして昼間なのにパジャマを着ているの?」
青く澄み渡る美しい瞳、無邪気で何にも知らないブルーノの言葉が
刃物のように見ている私たちに突き刺さる。

普通の8歳の少年がそうであるように
好奇心旺盛で、冒険が大好き、そして疑うことをせず、両親に愛され
何不自由なく育ってきた、澄み切った瞳を持つブルーノ。
それとは対照的に、シュムエルの全てを諦めてしまったような老人のような瞳が印象的だった。

戦争シーンや血を流すシーンは一切ないのに、これほどまでに戦争の恐ろしさ残酷さを
表現した映画は今までなかった。
爆破や、兵士が血を流す、戦争映画のシーン以上に恐ろしさと深い悲しみで
心をえぐられた。

戦争の悲劇と一言で片付けてはいけない。
けれど、今もなお戦争の悲劇はこの世界のどこかで起っている。

なぜ人は、憎しみ、争い、殺しあわなければならないのか。

ジョン・レノンの「イマジン」が無性に聴きたくなった。
1971年10月にこの曲が発表されてから38年
未だにどこかで誰かが殺しあっている。
今日も、多くの罪もない人々が、傷つき死んでいる。

音楽や絵画、すべての芸術が人々に安寧をもたらし、いつか世界に平和が訪れる
そう信じたい。


想像してごらん 国境なんて存在しないと
そう思うのは難しいことじゃない
殺す理由も、死ぬ理由もない
宗教なんてものも存在しない
想像してごらん すべての人々が
平和のうちに暮らしていると…

僕のことを単なる夢想家だと思うかもしれない
でも、僕ひとりだけじゃないんだ
いつの日にか 君も仲間に加わってくれよ
そうすれば 世界はひとつになるだろう

by Ricophoo | 2009-08-30 22:50 | 映画 | Comments(0)

旅 「異郷へ」

懸賞 2009年 08月 27日 懸賞

東京都写真美術館で行なわれている
“旅 第2部「異郷へ」~写真家たちのセンチメンタルジャーニー”を観て来た。
映画の上映時間までの時間つぶしに、ふらりと立ち寄った写真展だったが
展示されていたいくつかの写真から、上質なボディブローを間断なく浴びせられたような
魂の揺さぶりに似た衝撃を受けた。

写真の刹那が好きだ。
時間と空間を切り取る瞬間の潔さ、そして曖昧さ。
その時間、その空間、その一瞬が切り取られて
時を越えて、私をその場所へ、その一瞬へ連れて行ってくれる。
写真はまさしく「旅」だ。

この写真展「旅 異郷へ」は、1960年代後半から80年代前半に
著名な9人の写真家が撮った「旅」に関する作品で構成されている。

1970年に行われた旧国鉄のキャンペーン「ディスカバー・ジャパン」。
そのコンセプトは「日本を発見し、自分自身を再発見する」というのがテーマだった。
9人の写真家も、戦後から高度成長期の発展を遂げた、
新たな日本の発見と、自分自身の作品の模索をしながら旅を続けていたのだろう。

中でも、内藤正敏さんの「婆バクハツ!」「遠野物語」のシリーズ
土田ヒロミさんの「俗神」には目が釘付けになった。
グロな中にある神聖なもの。
喧騒の中の静謐さ。
息を止めて、思わず唾を飲み込んだ。

他にも荒木経惟さん、森山大道さんなど人気写真家の作品も
多く展示されていた。

写真も、人生も「旅」である。
自分探しの旅などと洒落たことは言いたくはないが
その一瞬一瞬を模索しながら、他と自己と社会の中で
時に風景を楽しみながら生きていきたい。

by Ricophoo | 2009-08-27 23:41 | アート | Comments(0)

気ままに走る(神楽坂・根津・谷中編)

懸賞 2009年 08月 15日 懸賞

今日は以前からのんびり散歩を楽しみたいと思っていた、神楽坂や根津、谷中界隈を、風の吹くまま、気の向くままに走ってみた。

f0036354_1402571.jpg後楽園にある、文京シビックセンター地下へ荷物を預けスタート。
外堀通りを飯田橋方面へ。ものの7,8分も走れば直ぐに神楽坂に到着。





f0036354_1454787.jpgf0036354_146641.jpg 神楽坂と言えば、五十番の肉まんや、ぺこちゃん焼き、甘味処紀の善があるが、今回はそんな誘惑に目もくれず、目指すは地図本でその佇まいに一目ぼれした和食のお店「カド」に行く。






f0036354_14113331.jpgf0036354_14193850.jpg「カド」は昭和24年に建てられたという古い民家を利用したカフェレストランである。
板塀に囲まれた小さな入り口の店の暖簾をくぐると、タイムトリップしたかのような錯覚に捉われる。昭和の雰囲気溢れる室内。優し風がそよぐ中庭を臨む縁側。畳と座布団、そして小さな赤い膳。昭和の初期の雰囲気は知る術もないが、そこには、確かに古き懐かしい昭和の温もりが残されている。

f0036354_1421592.jpgf0036354_14204336.jpg日替わり定食(1000円)を食べたかったが、売り切れのため、牛筋の煮込み定食を食べる。
小さな小鉢には、だだちゃ豆、卯の花、赤だしのおみそ汁、野菜がいっぱい入った牛筋の煮込み、香の物、デザートには黒糖ゼリーを頂いた。(980円)





f0036354_14262412.jpg店を出て、ふくねこ堂へ。ふくねこ堂は、猫雑貨を扱う猫好きにはたまらないお店だ。
アンティークの着物や浴衣なども置いてあるが、殆どが猫雑貨で店内が埋め尽くされている。奥はちいさなカフェになっている。




f0036354_14341244.jpg神楽坂のメイン通りを一歩わき道に入ると、そこは別世界。路地は静かな情緒溢れる石畳の坂道になっている。




f0036354_14274596.jpgf0036354_1428412.jpgf0036354_14282916.jpgf0036354_14331044.jpg







この界隈は、一般の民家に交じって、古い建物を利用したレストランやBAR、カフェやギャラリーが軒を連ねている。その反対に、パリのカフェのようなお洒落な雰囲気のお店もあちらこちらに点在している。

神楽坂を後にして、外堀通りを再び後楽園へ。白山通りから言問通り、東大横の弥生坂を上って、根津へ走った。



f0036354_14452714.jpgf0036354_1447093.jpgまずは、芋甚の「小倉アイスモナカ」(110円)を食べた。甘さが控えめな小倉アイスにパリパリのもなかの皮が絶品だった。
根津のたいやきも食べようと店の前に行ったら、お店はお休みだった。


f0036354_14475257.jpgf0036354_14495981.jpgf0036354_14501923.jpg三浦坂を上ったところにある
「ねんねこ屋」も猫雑貨のお店だ。
オリジナルから作家モノまで種類が豊富で、選ぶのに一苦労。
ここでは、ねこぺん(使いづらそう!)と猫の小さな置物を買った。

f0036354_1456411.jpgf0036354_1455784.jpgf0036354_14553164.jpg路地を入ったところに気になる幟を発見。
「絵はがき」と書いてある。
見ると普通の家のようだが、この家の御主人が「ぺん画」で描いた下町の風景を絵葉書のセットにして売っているお店だった。8枚セットで500円。細密に描かれた絵葉書は有名な画家の作品にも匹敵するような出来栄えだ。

f0036354_14572177.jpgf0036354_1543754.jpgこうした街の芸術家がこの町にはたくさんいるようで、あちこちにアーチストのものらしき工房やギャラリーを見つけた。
土曜日にしかあいてないという、古い銭湯を改造して造った「BathHouse」は次回の楽しみにとっておこう。


くねくねとした、へび道を通り、「旅ベーグル」を目指すも、夏休みなのかお店は閉まっていた。その後、三崎坂沿いにある、いせ辰」を覗いた。
f0036354_1553532.jpg「ポチ袋や千代紙、和手ぬぐいなど、なんでもかんでも直ぐに欲しくなるので早々に引き上げ、隣の喫茶店「乱歩」へ入り、珈琲を飲んだ。






f0036354_15105452.jpgここは、江戸川乱歩好きのマスターのお店らしく、猫と乱歩の雰囲気たっぷりの不思議な喫茶店だった。



f0036354_15181938.jpgf0036354_15191794.jpg美味しい珈琲に元気をもらい、三崎坂、七面坂を駆け上り、今回の目的の一つでもある「夕焼けだんだん」へ。
その名のとおり夕焼けの名所として知られる階段。周辺は猫たちのたまり場になっているとか。こちらも昭和のノスタルジーに浸れる場所の一つ。
夕焼けだんだんの階段を下りると、そこは「谷中ぎんざ」。


谷中コロッケ、谷中メンチ、やきとり、焼きかりんとう、大学いも等等、美味しそうなものがたくさん売っていた。なつかしい感じの商店街に時間を忘れてウロウロ。

f0036354_15204661.jpg中でも目を引いたのが「ちょんまげ芋」。甘い芋の餡に棒が刺してあり、黒胡麻や、白胡麻がまぶしてあるだけのシンプルなお菓子だが、優しく懐かしい味がした。





f0036354_15214197.jpgf0036354_15221354.jpg神楽坂、根津、谷中は猫の街だ。いたるところに猫のオブジェや猫雑貨のお店、そして本物の猫たちが、くつろいでいる。そしてそれを温かく見守る街の人たちがいる。
猫好きな人がそうであるように、おしつけがましくない距離感や、優しさを保ちながら、下町の温かさやふれあいを失わない、この根津や谷中の街にすっかりほれ込んでしまった。
猫がすみやすい街はきっと人間にとっても、住み心地のいい街であると思う。


f0036354_15234827.jpg谷中せんべい、中野屋の佃煮など、気になるものも多く、なかなか去りがたい気持を抑えて、泣く泣く来た道を戻る。
シビックセンターで荷物を取り出し、隣りの東京ドームのラクーアでお風呂やサウナに入って、このちいさな散歩ランの疲れを癒した。
谷根千、神楽坂は、まだまだ奥が深い。小さな路地に必ず発見がある。走っているからこそできる、あてのない気ままで小さな探検は、私のライフワークの一つになりそうだ。

by Ricophoo | 2009-08-15 14:12 | | Comments(2)