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懸賞 懸賞

ルーシー・リー展

懸賞 2010年 05月 29日 懸賞

f0036354_148777.jpg六本木の新国立美術館で行われている「ルーシー・リー展」へ行ってきました。

轆轤に恋をした19歳の日から、脳卒中で病に倒れ93歳でこの世を去るまで実に70年。
うつわにすべてを捧げたルーシー・リーの創作の軌跡を、余すところなくじっくりと堪能してきました。

ルーシー・リーの世界は、私の好きな物、心地よいと思われるもの全てが凝縮されていました。
シンプルモダン、そして清潔なフォルム、長年の釉薬研究を駆使して編み出された様々な彩り、そのオリジナリティ溢れる作品をひとつひとつ眺めていると、女性らしいしなやかさ、瑞々しさ、可愛らしさ、心地よいゆるやかさ、知的な好奇心や探求心で溢れ、見ている私たちを驚きと発見に満ちたルーシー・イン・ザ・ワンダーランドへ誘ってくれます。

「窯を開けるときはいつも驚きの連続」。そう彼女が言うように
ルーシーの作品はそのフォルム一つ、掻き落としなどの細かい装飾の一つ、色合い一つに緻密な研究が施され、その緻密さとは対極にある偶然性を楽しむ遊び心があります。

ざらざらと荒れた肌合いを持つ前溶岩釉の重厚な作品や、バウハウス系のモダニズム風な作品、その存在感に誰もが驚く白釉花器の斬新。ハンス・コパーと出会ってからのシンプルモダン。実験と探求を続け様々な器への可能性を見出そうとする彼女の情熱や技が年代を重ねるごとに円熟味を増してくるのがわかります。

今回の作品展が画期的なのは、その作品のみならず彼女が記した釉薬ノートや注文台帳まで展示されているところです。深い専門知識と緻密な実験に裏打ちされたそのノートには、化学式とイラスト以外余計なことは書かれておらず、なにか謎めいた秘密の暗号のようにも見えます。

会場の中ほどで、ルーシーの作品展のポスターにもなっている青釉鉢の青が目に飛び込んできた時、その鮮やかさに目が釘付けになりました。
実はその青釉鉢の青の作り出すベースのレシピだけは今もって見つからないそうです。

青も素晴らしかったのですが、圧巻はルーシーのピンク釉です。
ピンク釉の基になるのはクロム化合物ですが、その時代にはまだ新しい素材だったクロムやマンガンなどにも興味を持ち研究を続けていたと思われ、後年のルーシーのピンクは熟練の味というか、心や体の中にすーっと溶けていくような感じがしました。
それは紛れもなく、年齢を重ねるほどに積み重ねられていく円熟味です。
年齢を重ねたからこそ積み上げられていくものがあります。

1950年親友のフリッツ・ランプルにルーシーが口述したメモに残された言葉があります。
「陶器製作は私にとって冒険である。新しい創作はすべて新たな始まりである。
私は決して学ぶことを止めないだろう。一般の人たちにとって陶器の形態やデザインはあまり変化のないものだ。しかし、陶器を愛する人たちにとっては尽きることのない感動である。
それは、衝撃的なものではなく、ただ静謐で偉大なものである。」

静かなるカリスマ―。ルーシー・リー
また一人、私の心に刻むべきアーチストが増えました。

6月にはルーシーと強い信頼関係で結ばれ13年もの間、共同制作を続けていた20世紀英国陶芸界の巨匠、ハンス・コパーの日本初の回顧展が汐留で行われます。ルーシー・リーの作品も20点ほど展示されるということなので、今から楽しみにしています。

by Ricophoo | 2010-05-29 01:48 | アート

我が家のオーパーツ

懸賞 2010年 05月 05日 懸賞

オーパーツとは"Out Of Place Artifacts"の略で、日本語では「場違いな遺物」と訳されている言葉だ。

発掘された遺跡や遺物が、その当時では考えられないほど高度な技術が使ってあるものや
ありえない物、又は、近代において発見された知識が、何百年も前の遺物に書かれていたものなどを指す。有名なところでは、水晶のドクロとか、ナスカの地上絵、コスタリカの球石とか、バクダットの古代の電池とか・・・いわゆる、「どう考えても、ありえないもの」「そこにあるはずのないもの」「つじつまが合わないもの」がこの世に存在する・・・そんな不思議な事物を、我々はオーパーツと呼んでいる。

今日、玄関のたたきを雑巾で拭いていた。
その時、私が目にしたものは、一本の陰毛だった。
「なにゆえ、玄関に陰毛が・・・?」

近くを通りかかった息子に
「玄関に陰毛が落ちてた。」と言うと

息子は落ち着いた口調で「そりゃあ、洋服や靴についていたりしたものが、何かのはずみで落ちることもあるだろう」と言った。

そうだ、陰毛は、なぜかいかなる場所にも落ちているものだ。
ありきたりな、抜け毛と共に、絶対数の少ない陰毛が、あんな場所や、こんな場所、まさかそんな場所にまで・・・
我々は、それを「陰毛の不思議」と呼んでいる。

息子は静かな声で続けた。
「一ヶ月くらい前、部屋の電球が切れたので、電球を替えようと、天井にぴたりとくっついている照明器具を外したら、照明器具の中から一本の陰毛が出てきた。オレにはその陰毛がいったい、いつ何処から来たものかが判らず、未だに悩み続けているのだ」と言った。

「そこにあるはずのないもの」
それは、まさしくオーパーツだ。

息子は家の中に「小さなおじさん」が存在し、その「小さなおじさん」の仕業だと信じて疑わない。

ミステリーとメルヘンのせめぎ合い。
科学では計り知れない事実が、この世の中には存在するということか。

by Ricophoo | 2010-05-05 01:03 | その他