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二郎は鮨の夢を見る

懸賞 2013年 02月 12日 懸賞

f0036354_065036.jpg渋谷ユーロスペースでデイビット・ゲルブ監督のドキュメンタリー作品
二郎は鮨の夢を見るを観て来ました。

東京銀座にある「すきやばし次郎」。
2007年ミシュランガイドの評価を受けて以来6年連続で最高評価の三ツ星に選ばれ国内外の食通から高く評価されている鮨の名店です。
1965年に店主小野二郎さんがオープンした「すきやばし次郎」は数寄屋橋のオフィスビルの地下に僅か10席ほどの客席があるのみ。トイレは他店との共同という小さな小さなお店です。

世界の食通やハリウッドセレブの舌を唸らせ、飛行機に乗ってでもはるばる海外から食べに来たいと言わしめる、お鮨とは一体どんなものなのか?

83歳の時、世界でもっとも高齢の三ツ星料理人としてギネス最高記録にもなった小野二郎さんは齢87歳、未だ現役の鮨職人です。
このドキュメンタリーは二郎さんと二人の息子さんたちとお弟子さん達にスポットを当てた作品です。

鮨といえば日本を代表する料理です。言わば日本の食文化そのもの。しかし、このドキュメンタリーを撮ったのは若干29歳のアメリカ人監督デヴィッド・ゲルブさんです。
ゲルブ監督はニューヨークメトロポリタンオペラの総帥ピーター・ゲルブさんのご子息なのだそうです。
小さい頃から家族に連れられ世界中の美味しいものを食べてきたゲルブさんがいつしか鮨に魅せられ、来日しては鮨を食べ歩く中で「すきやばし次郎」の鮨の味に出会い、驚嘆し、二郎さんの職人としての技や生き様、またその芸術性に感動してこの映画制作を決意したといいます。

約3カ月にわたり東京、静岡と密着取材を敢行し二郎さんの仕事に対する誠実な姿勢と情熱、そして哲学を決め細やかな視点で描きだしています。

2012年3月、ニューヨークにあるわずか2館のスクリーンで全米公開をスタートさせたこのドキュメンタリーは瞬く間に口コミで評価を広げて最終的には興行収入250万ドルを超える大ヒットとなりました。

そのドキュメンタリーが全米から世界へ、そして作品の舞台日本へ凱旋を果たしました。

二郎さんには2人の息子さんがいます。
長男の禎一さんは本店の後継人、次男の隆士さんは六本店のオーナーです。

親子であり師弟でもあるこの二人の息子さんを通じて描かれる、偉大なる父への敬意、そして葛藤…。世界が認める名店を支える者たちのプライドと仕事にかける情熱を、温かくもモダンな映像とクラシック音楽の旋律とともに美しく浮かび上がらせていきます。

かつてこんな風に鮨の美しさを映し出した映像があったでしょうか?

鮨に色香と神々しさを感じました。

シンプルを極めるとピュアになる―。

日本の鮨とは、かくも美しいのだと実感させられ、手を伸ばしてすぐに食べたいという衝動に駆られます。  

ゲルブ監督の、鮨に対する愛情と日本の食文化、鮨に対する大いなるリスペクトがあってこその映像でしょうか。そうでなければ、あの絵は撮れないでしょう。
そしてなにより二郎さんの仕事に対する姿勢が素晴らしい。
とにかく仕事を愛すること。いい料理人は、おいしい食事をいっぱい食べて、勉強するという真摯な姿勢。

二郎さんは87歳を超えた今も、未だ道半ばだといいます。
完璧を求めているが、その頂上がどこかがわからない。常に上をみて、前を見て進んでいくしかない。
生涯現役に拘る男の生きざまは、何と清々しく美しいのでしょう。


自分の仕事を愛し、ひたすら道を極める。
「鮨道」という言葉が頭に浮かびます。


「掌を合わせたくなるお鮨。これこそが日本のご馳走。前しか見ない、ただひたすら高みへと向う二郎さんは、真理を握り、私達はその哲学を食すのだ」


映画チラシにあった声楽家の佐藤しのぶさんのコメントがこの映画の全てだと思いました。

映画を見終わった後は、すきやばし次郎へGO!と言いたいところですが、
この「すきやばし次郎」おまかせコースのみの鮨20貫のフルコース〆て3万円から。
つまみやビールを飲みながらまったりと・・・なんてことは決してしてはいけないらしいです。
だいたい15分で食べ終わるとか。

人間国宝級の二郎さんの握る奇跡の鮨を二郎さんが生きているうちに味わってみたいものですが、何ヶ月も先まで予約で埋め尽くされているといわれているし、二郎さんの前で食べる鮨はとてつもなく緊張してしまうのだとか。そうなると味もなにもわからなくなりそうです。

そういえば駒沢のモツ煮込屋「かっぱ」の先代のおやじも怖くて食ってる気がしなかった。(なつかしい)

by Ricophoo | 2013-02-12 00:00 | 映画