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懸賞 懸賞

落語2014

懸賞 2014年 02月 11日 懸賞

f0036354_232204.jpg2014年の初席は、ちょっと遅い1月9日の浅草演芸ホールの顔見世興行でした。

お正月にこちらへ来ていた母を連れて昼過ぎから、いざ浅草へ。
私たちはお昼すぎから、2時間半ほどしか観ませんでしたが、その気になれば、入れ替え制ナシなので、なんと朝9時から夜9時までの約12時間、総勢80人位の芸人さんの舞台を堪能できます。
木戸銭たかだか3000円ほどで12時間もお笑いを楽しめるなんて、なんという贅沢!元旦から10日までそれが連日(6~10日は朝10時から)行われているなんて落語ファンにとってはまさに悶絶モノです。
とは言っても80人もの芸人さんが出演されるのですから、一人の出演者の持ち時間は5分~7分ほど。なので落語1席しっかり聞かせて貰える余裕はありません。
殆どがマクラや小噺に終始されます。それでも入れ代わり立ち代り舞台に上がる噺家さんたちの噺はどれも面白く、母も私も大満足。

紙切りの二楽さんから始まり、三遊亭歌武蔵さん、林家正蔵さん、蜃気楼龍玉さん、古今亭志ん陽さん、林家三平さん、柳家小里んさん、松旭斎美智、美登さん、柳亭市馬さん、三遊亭歌る多さん、柳家喜多八さん、昭和こいるさん、春風亭一之輔さん、三遊亭若圓歌さん、鈴々舎馬風さん、三遊亭小円歌さん、三遊亭圓歌さん、柳家小ゑんさん、柳家喬太郎さんをラストに切り上げてホールをあとにしました。

母と私が特に気に入ったのは、もちろん市馬さん、三遊亭歌る多姐さんの「松づくし」と三味線、林家三平さん、柳家喬太郎さんです。市馬さんは短い時間の中で、お正月らしく、おめでたい相撲甚句など自慢の喉を余すところなく披露して下さいました。
三平さんの噺は初めて聞きましたが、とても面白く印象に残りました。とにかく元気があって華がある。やはり血筋なのでしょうか?出てこられると舞台がパーっと明るくなりますね。
喬太郎さんの噺は言わずもがな文句なく面白かったです。

顔見世興行は初体験でしたが、短いながらも、いろんな噺家さんの噺を聞けるのが、なんと言っても顔見世興行の最大の魅力でもあります。今年の初席が浅草演芸ホール初席顔見世興行になったというのも、何かの思し召し。今年はどんな落語家さん達との出会いがあるのか?一年を占う意味でも私の2014落語ライフの幕開けとしては最高の初笑いとなりました。

1月25日には有楽町よみうりホールで行われた「よってたかって新春落語 ~夜の部」へ行ってきました。
開口一番は
●入船亭ゆう京さん【道具屋】

●柳亭市馬さん【雛鍔】…市馬さん演じる金坊の軽妙な悪ガキ振りが笑わせます。

●三遊亭兼好さん【一分茶番(権助芝居)】…今年の兼好さんは何かが違う!飄々とした感じが魅力の兼好さんでしたが、声の感じも話の間合いも雰囲気までもが、なにか重厚感漂うベテランの味わい。権助のすっとぼけ振りがとにかく面白い!今年は兼好さんから目が離せません!

●春風亭一之輔さん【普段の袴】…脱力系の入りから、いつもの毒あるマクラでつかみはOK。一之輔さんすでにベテランの風格、安定感があります。

●柳家三三さん【橋場の雪】…初めて聴く粋で艶っぽい噺でした。雪の降る隅田川沿いの橋場の情景が目に浮かんでくるようでした。


2月7日には、一之輔ファンの友達に誘われて、なかのZEROホールで行われた春風亭一之輔さんの独演会「一之輔のすすめ、レレレレレレレレ。」に行ってきました。

開口一番は
●入船亭小辰さん【代脈】…江戸落語の草創期からあった古い与太郎噺。小辰さん声がはっきりしてとても聴きやすかったです。一之輔さんの大学(日芸)の後輩だそうです。

●春風亭一之輔さん「粗忽の釘」…今世間を賑わせている音楽家の話題を一之輔さん独特のキツイ毒吐きで先制パンチ。粗忽の釘は、サゲまで行かずに、夫婦の馴れ初めやノロケ話で弾けまくり!犬のペロの登場、土星踊りまで出てきた時点で、古典の名作をもはや創作落語の域にまで昇華させてしまいました。

●おしどりさん 音曲漫才(針金芸)…大阪から移住してきたという、珍しい針金を即興でいろんな形にして見せてくれる夫婦漫才。旦那さんのふにゃキャラは芸人として天性の強みかと思いきや、なぜか奥さんの弾くアコーディオンと併せて、もの悲しさを増幅させています。

●春風亭一之輔さん【お見立て】…吉原の遊女が気に入らない客を追い返そうと若い衆に「病気」だの「入院した」だの「死んだ」だのと嘘をつかせます。しかし、それにひるむことない田舎者のお大尽のすっとぼけ振りにお腹を抱えて笑ってしまいました。

2月9日には池袋演芸場二月上席 昼の部へ行ってきました。
出演者は、すず風にゃん子、金魚さん(漫才)、三遊亭多歌介さん、林家うん平さん、三遊亭歌る多さん、入船亭扇遊さん、江戸屋子猫さん(ものまね)、川柳川柳さん、三遊亭歌橘さん、アサダ二世さん(マジック)、三遊亭歌之介さん

市馬さんが3時半頃に出演する予定だったので、雪の残る中、はるばる池袋まで見に行ったのですが、急遽出演者変更!!市馬さんに代役が・・・しばらくショックが隠せませんでした。
私のこの心の空洞を埋めてくれる芸人さんは果たしているのでしょうか?

なんと!それは信じられないことに川柳師匠とアサダ先生でした!

今日はお二人共とにかく冴えていました。特に川柳師匠が良かった!
高校野球の行進曲を取り上げて吐きまくる毒が見事です!あんなに客席の心を掴み、会場中を爆笑の渦にしてしまった川柳師匠を見たのは初めてです。83才にして更に新境地を開いた感じです。進化を続ける川柳師匠から目が離せません。

アサダ先生のお約束、得意のぼやきも健在でした。もつれたロープにイライラして途中でやめてしまう始末。「冬は脂っけがなくなるから手品がやりにくい」と言いつつ、しかし最後は見事なトランプのマジックできっちり決めて下さいました。やっぱりアサダ先生好きだなあ!

笑う門には福来る!今年もたくさん落語を聴いて、たくさん笑って楽しい一年にしたいと思っています。

by Ricophoo | 2014-02-11 23:15 | 落語 | Comments(0)

人間国宝展~生み出された美、伝えゆくわざ

懸賞 2014年 02月 01日 懸賞

f0036354_13573795.jpg国立博物館平成館で行われている日本伝統工芸展60回記念「人間国宝展 ~生み出された美、伝えゆくわざ」を見に行きました。

今日、世界で高く評価され認められているメイドインジャパン。
人間国宝とは、その頂点にいる優れたわざや作品を生み出す唯一無二のアーチストと言える人々です。

「人間国宝」は、陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の世界で伝統のわざを受け継ぐ優れた工芸家を重要無形文化財の保持者として認定している制度です。
今回は60回記念として物故された重要無形文化財保持者(人間国宝)全104名の方々の名品と併わせて平成館一階の企画展示室では、現在も活躍されている人間国宝、全53名の方々の作品を展示されているという贅沢な展覧会です。
私のような知識のない人間にとって嬉しかったのは、みどころとして3つのテーマで構成されているところでした。

第一章の「古典への畏敬と挑戦」では、国宝・重要文化財を含む工芸の古典の名品と、重要無形文化財の保持者の代表作とを並べて「伝統」がどのように現代に伝えられているのかが分かるような展示となっています。
出土された土器や装飾品などを見ても分かるように日本では古の時代から、花器や茶碗、文箱、または身につける着物など、身のまわりのものに美を求めてきたような気がします。桃山工芸、あるいは茶道具など日本の古典的な工芸品からは、工芸を愛し、その美とともに生きてきた人々の姿がうかがえます。
そうした古典の持つ技と美を目標として、またその造形に影響を受けた人間国宝の方々の作品の数々を、古典の名宝と対峙させて展示されているので古典の威力と人間国宝の妙技に感動もひとしおです。
重要文化財の安土桃山時代の「広沢 志野茶碗」と荒川豊蔵の「志野茶碗」の対比には思わず「どちらも、いい仕事してますね~」と唸りそうになりました。

また江戸中期に作られた友禅染「小袖白縮緬地衝立鷹模様」は、臙脂・藍・雌黄・墨というわずか4色の天然染料でまるで1枚の絵画のような繊細な色彩を表現しています。一方、1954年に製作された田畑喜八の「一越縮緬地鳳凰桐文振袖」は西洋文化の影響を受けつつ、伝統的な友禅技法に寄りながらバリエーションに富んだ化学染料によって鮮やかな色彩と大胆で華麗な模様を描き出しています。
どちらもため息の出るような見事な作品でした。

第二章の「現代を生きる工芸を目指して」では、現代に合った伝統工芸を模索してきた作家たちの作品を、陶芸・染織・漆芸・金工・木竹工・人形・諸工芸に分け展示されています。
私が今回の展覧会で一番楽しみにしていたのは二代目平田郷陽の「抱擁」です。
平田郷陽の存在を知ったのは数年前「美の巨人たち」という番組で紹介されていた安元亀八と、その弟子平田郷陽の生き人形でした。まるで魂が吹き込まれているかのごとく、そしてあたかも生きている人間のように見える生き人形。江戸中期ごろ盛り場で行われていた見世物興行のため作られていたそうです。その技術の素晴らしさとはうらはらに芸術的な価値を与えられず美術品というより安価な見世物として扱われ、亀八の作品などは興行が終わると廃棄されていたそうです。一度でいいから近くで作品を見てみたいと恋焦がれていた平田郷陽。「抱擁」は、二代目平田郷陽の作品です。体躯を単純化した線でとらえつつ、つややかでなまめかしい女性の本質を象徴的に表現し子を思う母の優しさ、愛情が作品から香り立つようです。見ていて思わず微笑んでしまうような、懐かしさに涙ぐんでしまうような様々な感情が沸き起こってきました。

f0036354_1451996.jpg第三章の「広がる伝統の可能性」では九谷焼を継ぐ三代目徳田八十吉の「恒河」、生野祥雲斎の竹華器「怒涛」など作家の創意と工夫によってこれまでの伝統の概念をくつがえす勢いを持つ作品が多く展示されていました。伝統的な「わざ」をベースとしながらも、創作性や個性的なデザインを重視した美の造形に、これからの未来に向けた日本の伝統文化の可能性を深く感じずにはいられませんでした。

伝統を革進し続けた巨匠たちの競演に、日本人の感性の素晴らしさ、細やかさ、向上心を再認識し誇らしい気持ちになりました。

和風総本舗的に言えば、「日本に生まれてよかった!」と思える一日でした。

by Ricophoo | 2014-02-01 13:43 | アート | Comments(0)