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懸賞 懸賞

燕岳登山

懸賞 2014年 07月 29日 懸賞

f0036354_2241311.jpg7月20日から22日にかけて 北アルプス燕岳を登ってきました。













一日目 9:00新宿からあずさ9号で松本へ出発。松本から大糸線で穂高へ。
穂高からバスに乗って50分ほどで中房温泉へ到着しました。
中房温泉は,日本アルプスの中腹 海抜1,462メートルの山深き谷あいにある秘湯です。


f0036354_2331098.jpg広い敷地に幾つもの趣ある温泉が点在しています。室内にある「不老泉」、「御座の湯」「大湯」「薬師の湯」はもとより、野趣溢れる混浴露天風呂の「月見の湯」や「白滝の湯」、貸し切り露天風呂の「滝の湯」、「むし風呂」、「地熱浴場」「岩風呂」また一人用の五右衛門風呂の「ねっこの湯」温泉プールなどもあり、大自然の中のスパリゾートと呼びたくなるほどです。また15分ほどの山道を登れば焼山があり、そこでは100度を超える地熱を利用して卵やジャガイモなどの地熱蒸しを作って楽しむこともできるそうです。昔ながらの湯治場の面影を残す古い建物も風情がありました。
まずは一日目 温泉三昧と美味しい山の料理を頂いて翌日の燕登山に向けての英気を養いました。


f0036354_2344121.jpg二日目4:30起床。
さっそく温泉で朝風呂、7時朝食。濃厚なアルプスの牛乳が美味しかったです。
7時50分燕岳登山口を出発。早朝は雨が降っていましたが、雨も上がり出発の頃には、良いお天気となりました。いよいよ憧れの燕岳登山の始まりです。
第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチへとゆっくりゆっくり登っていきます。登れば登るほどガスが出てきて稜線に出ても下界の景色が見えません。
燕岳は日本三大急登と言われていて、登る前はかなりびびっていました。なので、スタートから、ゆっくりと疲れないよう、いつ襲ってくるまだ見ぬ急登に緊張し、かなり気合を入れて登っていました。しかし、行けども行けども私が考えていたような恐ろしい急登はなかなか姿を現さず、あっと言う間に合戦小屋へ到着。
すれ違う登山者は、ベテラン登山者とみられる方の他、年配者から小さな子供まで様々。日本三大急登とは言っても、登山道がきちんと整備されていること、岩稜が少なくほぼ樹林帯であることなどから、比較的初心者でも歩きやすい山の一つだと感じました。


f0036354_2355445.jpg11時15分合戦小屋到着。合戦小屋では、やはり名物の西瓜を食べなくちゃ始まりません。
よく冷えて甘いすいかを食べて一気に疲れが吹き飛びました。
合戦小屋から残すところあと1時間ほどで今日の宿泊場所燕山荘です。






f0036354_237298.jpg燕山荘までの道のりのいたる所で残雪が見られました。夏山とは言ってもやはりここは2700m級の山なんだと改めて思い知らされた一瞬でした。









f0036354_22545778.jpg12時過ぎ、とうとう燕山荘へ到着しました。ガスもずいぶん晴れて目の前に鹿島槍ヶ岳、大天井岳、北信方面の山々の絶景が現れました!なんという素晴らしい景色!疲れも忘れて重たいリュックを背負ったまま写真を撮りまくりました。





f0036354_22454233.jpgそして、山男さんにご挨拶。
山男というのは山荘の前でハイカーたちを出迎えてくれる石像のこと。山を愛した版画家 畦地梅太郎の作品です。

燕山荘の山荘で受付を済ませ、とりあえずお疲れ様と言うことで、テラスでビールとカレーを堪能。



少し休んで、30分ほどの燕岳山頂へGO!


f0036354_22465236.jpg山頂へ向かう道すがら、高山植物の女王と呼ばれている可愛らしい「コマクサ」の群生を見つけました。











f0036354_22475155.jpgまたイルカ岩、メガネ岩などアーティスティックで迫力ある巨岩の競演に感動の連続です。


17時夕食
チーズ入りハンバーグが美味しかったです。
夕食後、山荘のオーナーが宿泊客を前にユーモアを交えながら山の話をたっぷり聞かせてくださり、その後はオーナー自らアルプスホルンの生演奏をして下さいました。
これぞ山小屋の醍醐味です。


f0036354_22513415.jpg三日目4時起床
ご来光を見にありったけの服を身にまとい、ダウンを羽織って小屋の外へ。吹き飛ばされそうに風が強い!そして半端ない寒さ!
昨日はガスがかかってすっきりとは見えなかった北アルプスのシンボル槍ヶ岳が今日はその勇ましい姿を堂々と現してくれました。
寒さに凍えながら、言葉に尽くせないほどの美しい朝焼けの風景を目の当たりにしてただただ感動の嵐です。
朝食後、6時50分小屋を出発、もと来た道を下山していきます。
登りは比較的楽に感じていましたが、下ってみて初めて自分たちは日本三大急登を登ってきたんだなと実感しました。
無名な低山と違ってきちんと整備されているうえ、人気のある山なので登山者も多いため足場もしっかり踏み固められていて、道しるべがなくても迷うこともなく安心して歩けました。
10時30分中房温泉下山。
中房温泉入浴、食事
12時30分バスに乗って穂高駅まで。
穂高駅から大糸線で14時20分 松本着。
松本からスーパーあずさ17時26分新宿着。

この登山を前に準備したこととして、とにかく登山靴に慣れることを心掛け2週間前から、通勤にも登山靴を履いて足慣らしをしてきました。(初めの2、3日はひどく疲れましたが)
なので、登山靴がまるで体の一部にでもなったように足にしっくり馴染んで、疲労感もストレスもなく終始快適に過ごせました。もちろん登山靴はお気に入りのゴローです。
ゴローの登山靴は、下山の時にこそ、その真価を発揮します。これは身をもって体験した掛け値なしの感想です。もしかしたら、登りが急登に感じなかったのも登山靴のせいかもしれません。

憧れの燕岳登山を終え、いつもの日常が戻ってきました。
都会の喧騒を離れ、雄大なアルプスの自然に抱かれた夏山でのひと時。
鳥の声、吹き抜けていくさわやかな涼風、美しい景色、登っている間の苦しい気持ちや山頂へ着いた時の達成感や安堵感。
いろんな気持ちを噛みしめながら、あれから毎日満員電車に揺られています。

風景の見えない地下鉄の窓ガラスをぼんやり見つめながら
気が付いたらまた山に登りたいなと思っている自分がいます。

by Ricophoo | 2014-07-29 22:59 | 登山

市馬さんに夢中(その8)

懸賞 2014年 07月 19日 懸賞

f0036354_12242851.jpg7月18日国立演芸場で「7月中席 夜の部」を観てきました。
そう!もちろんトリは市馬さんです!
「さあ明日から連休だ!」という開放感全開の金曜日の夜に職場から歩いて5分の国立演芸場で大好きな市馬さんの落語を聴く!一年に1回もしくは2回ほど行われる市馬さん主任の国立演芸場での落語会、しかも最前列をゲットできる夜の部。一年間この日をどれだけ待ち望んでいたことか!私にとってはまさに筆舌尽くしがたい贅沢です!
前回に続き開口一番は、またまた柳亭市助さんだったのですが・・・会場に着いた時には既に市助さんの落語が終わる所でした。
開演18:00と言うことと、歩いて行ける気安さもあり、少し残業したのがまずかった。国立演芸場では前座の落語は開演の10分くらい前に始まるのです。私としたことが完全に失念しておりました。
本日の演目は以下のとおり
●柳亭市助さん…「出来心」
●柳亭市楽さん…「松山鏡」 
●柳家小せんさん…「あくび指南」
●江戸家小猫さん…「動物ものまね」
●柳家小のぶさん…「火焔太鼓」
●柳家小里んさん…「お茶汲み」
仲入り
●橘家團十郎さん…「ちりとてちん」
●五明樓玉の輔さん…「悋気の独楽」
●柳家小菊さん…粋曲
●柳亭市馬さん…「阿武松」
【阿武松】
能登の国〈今の石川県〉から名主の添え書をもって江戸へ出てきた長吉は京橋の観世新道の(現在の銀座1丁目〉関取 武隈文右衛門の弟子になり小車(おぐるま)という名前をもらいます。当時の相撲界は現在と制度が異なっていて現役力士でも弟子を持つことができたそうです。
小車はよく働きますが、桁外れの大飯食い。たまりかねた武隈とおかみさんはこのままでは小車に部屋を食いつぶされてしまうからと小車に一分の金を渡して故郷へ帰れと暇を出してしまいます。悲嘆にくれた小車は、ぼんやりと中山道を板橋から志村、戸田の渡しまで来ます。大食いのせいで関取になれないなんて、情けないやら恥ずかしいやら…故郷への面目も立ちません。いっそここで身投げでもと思いましたが、どうせ死ぬならもらった一分で好きな飯を腹一杯食ってからにしようと、とって返し板橋の平尾宿の橘屋善兵衛という立派な旅籠へ行き、一分の金を出して、何もいらないからお飯(まんま)だけは好きなだけ食べさせてくださいと頼みます。なにしろ今生最後の晩飯ですからその食いっぷりのすごいこと!女中からこの話を聞いた主の善兵衛がその食いっぷりを見物に来ますが、なんとなく沈んだ顔をしているのが気にかかり善兵衛は小車に話を聞きます。ことの顛末を聞いた大の相撲好きの善兵衛は気の毒に思い自分の懇意にしている錣山親方の所への弟子入りの世話をしてあげることにしました。更に食い扶持に困らないよう月に五斗俵を二俵の仕送りもしようと言ってくれます。喜んだ小車は、死なずにすむことになり、またうまそうに飯を食い続けます。
翌朝、小車と善兵衛は根津の七軒町の錣山親方の所へ連れていきます。善兵衛が小車を弟子にと頼むと、錣山は旦那さんの頼みならと小車の身体も改めずに引き受けてくれたうえ、錣山が前相撲の時の小緑というしこ名までつけてくれました。しかも善兵衛からの仕送りの申し出を断り「相撲取りが飯が食えんようなこっちゃいかん!武隈関は考え違いをしていなさる。遠慮はいらん。一日一俵ずつ食わせてもいい!」と快く小緑を弟子にしてくれました。
文化12年の12月、麹町10丁目、報恩寺の相撲の番付に初めて小緑という名前がのり、序の口すそから14枚目に小緑常吉。翌13年2月、芝西の久保八幡の番付には序二段目、すそから24枚目に躍進。その間が100日たたないうちに番付を60枚とび越したという、古今に珍しい出世です。
文政5年、蔵前八幡の大相撲に入幕をはたし、小緑改め小柳長吉になります。
初日、二日、三日と連勝。明日4日の取組みの中に、武隈と小柳とという文字が!これを見て喜んだのが師匠の錣山。「明日はお前の旧師匠、武隈関との割りが出た。しっかり働け」「へい、明日の相撲にすべりましては、板橋の旦那さんに合わせる顔がござりませんで・・・。飯(まんま)の仇 武隈文右衛門、明日は一丁、働きます!」
翌日、武隈との立ち合いが長州公の目にとまり藩のお抱え力士に召し上げられます。
その後阿武松緑之助と改名し、6代目横綱 阿武松緑之助 出世力士のお噺です。

初めて聞いた「阿武松」。市馬さんの噺が終わって緞帳が下がっても興奮と感動でしばらく立つことができませんでした。
名古屋場所の最中ということでの「阿武松」。実にタイムリーなチョイスは市馬さんのセンスの良さが光ります。まくらには得意の行司ネタや伸びのある呼び出しの声真似で、客席の心をイッキに鷲掴みです。
今年の3月場所に第71代横綱 鶴竜が誕生しましたが、この噺の主人公 阿武松緑之助は今から遡ること186年前の第6代横綱です。史実に基づいたフィクションということもあり、また主人公自体は桁外れの大食漢キャラということくらいで、性格的には地味な感じなのですが、そこはさすが市馬さん、逆に周りのキャラクターを際立たせることにより、どんどん情景が頭の中に広がっていきました。また講釈風な語りを途中に挿入することによってメリハリが効いたキリリとした噺になっていました。聞き終えた後には、まるで一大巨編の映画みたような感動に包まれていました。
素晴らしい景色や素晴らしい音楽、素晴らしい芸術に触れたとき人は自然に涙が出てくるものだと聞いたことがあります。今日の市馬さんの人情話はまさにそれでした。
気が付いたらいつの間にか涙が滲んでいました。

by Ricophoo | 2014-07-19 12:26 | 落語

よってたかって夏らくごNIGHT2014

懸賞 2014年 07月 10日 懸賞

f0036354_2244733.jpg7月5日有楽町のよみうりホールで行われた「よってたかって夏らくごnight2014 21世紀スペシャル寄席ONEDAY」を観てきました。

開口一番は、市馬さんのお弟子さんの
●柳亭市助さん…「弥次郎」…市助さんの落語を聴くのはこれで3回目となります。「とにかく大きい声を出すこと。はっきりした話し方をすること。前座のうちは笑いをとるというよりそういう基本が大切だ」という市馬さんの教えを忠実に守っている市助さんの落語は実に歯切れがよくて聴きやすい。
嘘つき弥次郎と異名をとるホラ吹き男の痛快冒険譚をテンポよく明るく陽気な笑いにして届けてくれました。聞くたびに上手くなっている市助さんの成長が楽しみです!

●桃月庵白酒さん…「宗論」…落語協会総会の悪口、先月行った欧州公演の際の飛行機の機内食の悪口…お約束の強力な毒を含んだマクラのキレは白酒さん本日も冴えていました。〈今話題の県議の泣きの演技も魅せてくれました〉そして欧州公演の観光で訪れた教会の話から流れるように「宗論」とは!白酒さんのうまさが光ります。(この後浅草でトリを務められるとのことでちょっとショートバージョン)

●春風亭一之輔さん…「百川」…「白酒さんの落語があまりに短い、しかもマクラは悪口ばかり…」と悪口の悪口。NHKのラジオ深夜便の収録の楽屋で一緒になった米丸師匠、桃太郎師匠夫妻との噛み合わない会話の話は会場中大爆笑でした。
一之輔さん演じる百兵衛の強力な田舎訛りが炸裂です。「お見立て」といいこの「百川」といい一之輔さんの「訛り芸」はもはや名人芸と言ってもいいほどです。とにかく笑った!
仲入り
●柳家三三さん…「夏泥」…お人よしで間抜けなこそ泥が貧乏長屋で寝ていた男に「金を出せ!」と脅すがこそ泥より、一枚も二枚も上を行く男から反対に質料や利息分のお金、質入れしている着物代、果ては食事代までむしり取られる始末。すっからかんになって帰るこそ泥に男が一言「また来てね」という何ともほのぼのとした滑稽話。
「夏泥」は別題「置泥」・「貧乏者」とも言われています。もともとは「打飼盗人」という上方落語の演目だったそうです。落語には泥棒が出てくる噺が多くありますが、落語の世界では、泥棒の噺は「縁起が良い」とされています。これには「お客様の懐を取り込む」という意味が込められているそうです。他にもタヌキや幽霊の出てくる噺などもタヌキや幽霊が「化ける」ということから「上昇する」とか「成長する」という意味が込められて縁起が良い噺と言われています。こじ付けのようでもありますが、言葉で縁起を担ぐというのは、いかにも日本人らしい感じですね。

●柳亭市馬さん…「大工調べ」…ここしばらくは落語協会会長就任の挨拶が続きそうな市馬さんです。この日も、やや緊張した面持ちでご挨拶。
人の上に立つってことで今回の演目は「大工調べ」…抜けているがお人よし、親孝行の大工の与太郎は、ある日棟梁から仕事が入ったと言われるが長屋の店賃を溜めこんでしまったため大家に道具箱を差し押さえられている。それを聞いた棟梁が手持ちの1両2分を出すが、まだ8百文足りない。だが、まずは手持分だけでも払えば「御の字」だろうと言い与太郎を大家のもとへ行かせる。そこで与太郎、棟梁が言った話をそのまま「御の字」と言ったことまで大家に伝えてしまう。これを聞いた大家はカンカン。へそを曲げて残りの8百文も持ってこなければ道具箱は返さないと言う。今度は棟梁が低姿勢で大家に詫びに行くが話し合いは決裂、棟梁は大家に向かって威勢のいい啖呵を切ってしまう…

落語の世界だけでなく、こういう話の展開っていうのは、現実の世界でもよくある話ですね。ちょっとした言葉の使い方やニュアンスで感情がもつれて修復不能な事態になってしまったり…。
2011年に公開されたロマン・ポランスキー監督、ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット出演のおとなのけん」を思い出します。子供のケンカに親同士が間に入り、冷静に友好的に解決しようとするのですが、会話を重ねるに従って険悪な雰囲気になっていくばかりか、それぞれの夫婦の間でも感情的な対立が生まれ次第に収拾のつかない修羅場に陥っていくというストーリー。面白さはさることながら会話劇としての完成度の高さに感動し、上映期間中3回も観に行ってしまいました。
よく考えたらこういう会話劇というのは落語とよく似ています。
映画は4人の豪華キャストが演じていましたが、落語は一人ですべての人間を演じ分けているのですから改めて落語ってすごいなあと実感します。

by Ricophoo | 2014-07-10 21:59 | 落語

市馬さんに夢中 (その7)

懸賞 2014年 07月 06日 懸賞

f0036354_1314663.jpg6月25日なかのZEROホールで「市馬・喬太郎 ふたりのビックショー改め みんなのビックショー」を観てきました。

開口一番は前座の さん坊さんで「牛ほめ」

●三遊亭 天どんさん「よかちょろ」…一之輔さんが、まだ真打に上がる前の天どんさんを何度も高座でいじっていたのと、天どんさん作の「サンタ泥」を披露して爆笑させてもらったのをきっかけに、まだ見ぬ「天どん」さんに期待が膨らんでいましたが、なかなかこの日まで天どんさんの落語を聞く機会には恵まれませんでした。しかしようやく本日「初天どん」。初めて天どんさんの落語を聞くことができました。
落語もさることながら、その風貌と独特の味わいのある雰囲気は、期待以上のものでした。特にいきなり「大きなおにいさん~♪」と危ない雰囲気で歌いだした時はどうなることかと会場中を不安にさせましたが、その後の「みんなのビックショー」のムードを一気に盛り上げる導火線となったのは言うまでもありません。

●寒空 はだかさん 真空ギター漫談「東京タワーの唄」…落語会のチラシで何度かそのインパクトのあるお名前だけは知っていましたが、すべてを超越して振り切った感がある真空ギター漫談。すごいものを見てしまった(聞いてしまった)という感じです。この「みんなのビックショー」には連続10年も出場されているとのこと。
見た目はまだお若いのかと思っていましたが、こういう芸を長く続けていらっしゃる寒空はだかさんという存在を今まで知らなかった自分を深く反省しました。
「東京タワーの唄」そして「バカの壁」は聴いてしまった人たちの頭に呪いをかけるかの如く、いつまでもいつまでも手ごたえのないふわふわした感覚で頭の中でリフレインを繰り返しています。しかし寒空はだかという名前、すごいです。はだかさんって口にするのが少し恥ずかしい。

●柳家 喬太郎さん 「すみれ荘201号室」…喬太郎さんの新作落語はいつ聞いても大爆笑。
そして少しノスタルジックで少し切なさを感じさせます。
80年代の若い女性を演じるときの喬太郎さんのリアル。ぞくぞくします。
おなじみのあの名作「東京ホテトル音頭」や「イメクラ音頭」も披露して下さり「みんなのビックショー」は更に盛り上がり佳境に入っていきます。

仲入り

●ぺぺ桜井さん  ギタージョーク…クラシックの演奏家を目指して本格的にギターを学んだというペペ桜井さん。天どんさん、はだかさんと同じく今回お初にお目にかかりました。
通常のギター漫談のレベルをはるかに超えた演奏技術とちょっと寒いジョークとのギャップがたまりません。ビートたけしさんがテレビで浅草時代を語るとき必ず、このペペさんがでてくるというほど、古き良き時代の寄席を語るうえでなくてはならない存在なのかなと思います。時間の進み方が早すぎる現代において、昭和のゆっくりした時間の流れを思い出させてくれるようなぺぺ桜井さんのギタージョークに癒されます。

●柳亭 市馬さん 「片棒」…前回更新したブログ記事にも書かせて戴きましたが、この日の市馬さんには神様が降臨していました。
市馬さんの噺の面白さは言うまでもありませんがこの日は、リズムといい間合いといい勢いといいすべてが完璧に重なり合って一つの世界を紡ぎだしていました。市馬さんにより観る者、演じる者そして片棒という二次元の世界が一体化され融合され爆笑という形で会場中を包み込んでいました。

【片棒ケチで身代を築いた大店の主人。3人の倅がいるが誰に跡を継がせるかが頭痛の種。
仮想の自分の葬式で3人がどう振る舞うかを一人一人自室に呼んで聞いてみることに。
道楽者の長男はこれだけの大店に恥ずかしくない葬式を開くと言う。
派手に金を使い、見栄を張ることばかりを考える。東京中の名刹から僧侶を集めて読経の大合唱、参列者には一流料亭製の弁当を土産にお車代まで用意すると言う。こんな派手な金遣の息子にはとうてい跡は継がせられないと怒り心頭の主人。
お調子者で祭好きな次男はさらにど派手な葬式を開くと言う。「お練り」に始まり、東京中の鳶頭百人による「木遣り」そして芸者衆の手古舞に続き、終いにはケチな父親が算盤をはじく からくり人形を設えた山車が出るという。そして骨壺を中に収めた神輿を町内みんなでワッショイワッショイ!最後に骨壺を花火で打ち上げて隣町内の奴らと取り合うなどという。これじゃ死んでも死にきれない。
すがる思いで三男に話を聞くと、葬式なんぞに金は掛けたくないという。できれば「鳥葬か風葬が望ましい」とまで。これを聞いた主人は三男を頼もしく思うが…それもちょっとなあ。質素でいいから形だけはつけておくれと懇願する主人。 
それならば仕方なく葬式を出すが出棺時間を予告なしに早め参列者に振る舞う酒や弁当なども節約し、棺桶はもったいないので菜漬けの樽を利用するという。人足を雇うお金ももったいないので焼き場へ運ぶ前棒は自分で担ぐという徹底したケチぶり。しかし、後棒を担ぐ人を雇わないといけないと項垂れたところ、樽に入るはずの主人がすかさず「わたしが担ぐ!」


「葬儀」というタブーを逆手に、とことん茶化した「片棒」という話、馬鹿馬鹿しさとシュールさのバランスが大好きです。笛や太鼓や鐘、御輿の掛け声などリズミカルでテンポある部分、「木遣り唄」など市馬さんならではの見せ場も存分に楽しめるところが最高です。

by Ricophoo | 2014-07-06 12:50 | 落語