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アバウト・タイム 愛おしい時間について

懸賞 2014年 11月 02日 懸賞

f0036354_0305197.jpg「ノッティングヒルの恋人」の脚本や「ラブ・アクチュアリー」などで知られるイギリス恋愛映画の巨匠 リチャード・カーティス監督作品アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」を渋谷シネマライズで観てきました。

主演はドーナル・グリーソン、レイチェル・マクアダムス、ビル・ナイ

今 幸せな人も、そうでない人も大切な人を思い浮かべて観てほしい、とびきりチャーミングでロマンティックな映画です。

物語の舞台はイギリス南西部コーンウォール。長閑な海辺の町に住む内気な青年ティムは、両親と妹、そして伯父の5人暮らし。海辺でのピクニックに週末の野外映画上映会。ちょっと風変りだけど本当に仲のいい家族です。自分に自信のないティムは年頃になってもなかなか彼女ができません。そして迎えた21歳の誕生日、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父親から知らされます。そんな能力に驚きつつも恋愛成就のためにタイムトラベルを繰り返すようになるティム。弁護士を目指してロンドンへ移り住んでからは、チャーミングで可愛い理想の女の子メアリーと出会い恋に落ちます。ところが、タイムトラベルが引き起こす不運によって、二人の出会いはなかったことに!なんとか彼女の愛を勝ち取り、その後もタイムトラベルを続けて人とは違う人生を送るティムでしたが・・・。

タイムトラベルという特殊能力を持った主人公の映画は普通、なにかの陰謀に巻き込まれたり、時空や歴史に悪影響が出てくるというようなハプニング続出のSFチックな展開になりますが、この「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」は違います。
タイムトラベルという能力を持ったなら、人間は良くも悪くも私利私欲のためにその能力を悪用してしまいそうですが、主人公のティムはタイムトラベル能力をちょっとだけ良い方向へ軌道修正することや、家族や友人のためにしか使わないのです。
なので当然のごとく、この映画に悪役なんて出てきません。
派手な暴力シーンも、激しいラブシーンもありません。
タイムトラベル要素を入れることで人生を是正するという多少のSF性はありますが、普通のイギリス青年の成長の物語、家族の愛と人生の物語、そして人間にとって本当に大切なものとは何かを思い出させてくれる優しく心温まる物語になっています。

「年を取るにつれ、人生に大事なものを描きたくなった。私は車も普通のスピードで運転するし、殺人の経験もなく、スーパーヒーローに出会ったこともありません。愛、家族、友情という、普段の生活に幸せがあると気づくような映画を作りたかった」と語るのはリチャード・カーティス監督ご自身です。

しかしなんといってもショックなのは、本作が監督の最後の作品、つまり引退作品だと公言されていることです。

監督としてまだ3作目、これからまだまだたくさんの名作を世に送り出してほしいと思っているファンは私だけではないはずです。一体どうして?

「この作品を映画監督としての集大成にしようと思う。物語のテーマは家族。恋をして、結婚して、家族を築いていくことの素晴らしさを語っている。まずこの作品に描いた全部のエピソードは、ここ5年間で僕自身に起こったこと。父の死、妹のトラブル、そして娘の病気。今彼女は闘っている。僕は少しでも長く娘のそばにいたいんだ。監督という仕事はほかの事には目もくれず膨大な時間を製作に注ぎ込まなければいけない。今の僕にはそれはできない。作品を見てくれた人たちには、何気ないことがかけがえのないものに変わることを感じてほしい」 
 
「いまは愛する家族と穏やかに暮らしたい」

というリチャード・カーティス監督の決断にエールを贈らずにはいられません。

人はタイムマシンがあれば何でも自分の思いのままにできるのにと思いますが、映画はどんな家族にも起こる不幸や波風は、あらゆる能力を使っても回避することは不可能なのだということを教えてくれます。

ただ人生を幸せに生きるヒントは穏やかな変わらない日常を丁寧に生きること。

自分自身や家族や友人たちと築き上げてきた日々は、自分自身の記憶であり、そしてそれが、かけがえのない人生なのです。

物語の後半、ティムはタイムトラベルを行わなくなっていきます。

なぜなら子供のわずかな成長や今日一日の小さな幸せが小さな失敗も含めて少しずつ積み重なっていくことが家族のかけがえのない未来につながっていくのですからー。

過去は振り返らず前を見つめて生きていくこと、毎日をできる限り一生懸命生きていくことが大切なのだとカーティス監督に教えられた気がします。

これからの人生を共に生きていきたいと思える、天使と出会った息子へー。

この映画を捧げます。

結婚おめでとう!

by Ricophoo | 2014-11-02 00:25 | 映画