燕岳登山
2014年 07月 29日
一日目 9:00新宿からあずさ9号で松本へ出発。松本から大糸線で穂高へ。
穂高からバスに乗って50分ほどで中房温泉へ到着しました。
中房温泉は,日本アルプスの中腹 海抜1,462メートルの山深き谷あいにある秘湯です。
広い敷地に幾つもの趣ある温泉が点在しています。室内にある「不老泉」、「御座の湯」「大湯」「薬師の湯」はもとより、野趣溢れる混浴露天風呂の「月見の湯」や「白滝の湯」、貸し切り露天風呂の「滝の湯」、「むし風呂」、「地熱浴場」「岩風呂」また一人用の五右衛門風呂の「ねっこの湯」温泉プールなどもあり、大自然の中のスパリゾートと呼びたくなるほどです。また15分ほどの山道を登れば焼山があり、そこでは100度を超える地熱を利用して卵やジャガイモなどの地熱蒸しを作って楽しむこともできるそうです。昔ながらの湯治場の面影を残す古い建物も風情がありました。
まずは一日目 温泉三昧と美味しい山の料理を頂いて翌日の燕登山に向けての英気を養いました。
二日目4:30起床。
さっそく温泉で朝風呂、7時朝食。濃厚なアルプスの牛乳が美味しかったです。
7時50分燕岳登山口を出発。早朝は雨が降っていましたが、雨も上がり出発の頃には、良いお天気となりました。いよいよ憧れの燕岳登山の始まりです。
第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチへとゆっくりゆっくり登っていきます。登れば登るほどガスが出てきて稜線に出ても下界の景色が見えません。
燕岳は日本三大急登と言われていて、登る前はかなりびびっていました。なので、スタートから、ゆっくりと疲れないよう、いつ襲ってくるまだ見ぬ急登に緊張し、かなり気合を入れて登っていました。しかし、行けども行けども私が考えていたような恐ろしい急登はなかなか姿を現さず、あっと言う間に合戦小屋へ到着。
すれ違う登山者は、ベテラン登山者とみられる方の他、年配者から小さな子供まで様々。日本三大急登とは言っても、登山道がきちんと整備されていること、岩稜が少なくほぼ樹林帯であることなどから、比較的初心者でも歩きやすい山の一つだと感じました。
11時15分合戦小屋到着。合戦小屋では、やはり名物の西瓜を食べなくちゃ始まりません。
よく冷えて甘いすいかを食べて一気に疲れが吹き飛びました。
合戦小屋から残すところあと1時間ほどで今日の宿泊場所燕山荘です。
燕山荘までの道のりのいたる所で残雪が見られました。夏山とは言ってもやはりここは2700m級の山なんだと改めて思い知らされた一瞬でした。
12時過ぎ、とうとう燕山荘へ到着しました。ガスもずいぶん晴れて目の前に鹿島槍ヶ岳、大天井岳、北信方面の山々の絶景が現れました!なんという素晴らしい景色!疲れも忘れて重たいリュックを背負ったまま写真を撮りまくりました。
そして、山男さんにご挨拶。
山男というのは山荘の前でハイカーたちを出迎えてくれる石像のこと。山を愛した版画家 畦地梅太郎の作品です。
燕山荘の山荘で受付を済ませ、とりあえずお疲れ様と言うことで、テラスでビールとカレーを堪能。
少し休んで、30分ほどの燕岳山頂へGO!
山頂へ向かう道すがら、高山植物の女王と呼ばれている可愛らしい「コマクサ」の群生を見つけました。
またイルカ岩、メガネ岩などアーティスティックで迫力ある巨岩の競演に感動の連続です。
17時夕食
チーズ入りハンバーグが美味しかったです。
夕食後、山荘のオーナーが宿泊客を前にユーモアを交えながら山の話をたっぷり聞かせてくださり、その後はオーナー自らアルプスホルンの生演奏をして下さいました。
これぞ山小屋の醍醐味です。
三日目4時起床
ご来光を見にありったけの服を身にまとい、ダウンを羽織って小屋の外へ。吹き飛ばされそうに風が強い!そして半端ない寒さ!
昨日はガスがかかってすっきりとは見えなかった北アルプスのシンボル槍ヶ岳が今日はその勇ましい姿を堂々と現してくれました。
寒さに凍えながら、言葉に尽くせないほどの美しい朝焼けの風景を目の当たりにしてただただ感動の嵐です。
朝食後、6時50分小屋を出発、もと来た道を下山していきます。
登りは比較的楽に感じていましたが、下ってみて初めて自分たちは日本三大急登を登ってきたんだなと実感しました。
無名な低山と違ってきちんと整備されているうえ、人気のある山なので登山者も多いため足場もしっかり踏み固められていて、道しるべがなくても迷うこともなく安心して歩けました。
10時30分中房温泉下山。
中房温泉入浴、食事
12時30分バスに乗って穂高駅まで。
穂高駅から大糸線で14時20分 松本着。
松本からスーパーあずさ17時26分新宿着。
この登山を前に準備したこととして、とにかく登山靴に慣れることを心掛け2週間前から、通勤にも登山靴を履いて足慣らしをしてきました。(初めの2、3日はひどく疲れましたが)
なので、登山靴がまるで体の一部にでもなったように足にしっくり馴染んで、疲労感もストレスもなく終始快適に過ごせました。もちろん登山靴はお気に入りのゴローです。
ゴローの登山靴は、下山の時にこそ、その真価を発揮します。これは身をもって体験した掛け値なしの感想です。もしかしたら、登りが急登に感じなかったのも登山靴のせいかもしれません。
憧れの燕岳登山を終え、いつもの日常が戻ってきました。
都会の喧騒を離れ、雄大なアルプスの自然に抱かれた夏山でのひと時。
鳥の声、吹き抜けていくさわやかな涼風、美しい景色、登っている間の苦しい気持ちや山頂へ着いた時の達成感や安堵感。
いろんな気持ちを噛みしめながら、あれから毎日満員電車に揺られています。
風景の見えない地下鉄の窓ガラスをぼんやり見つめながら
気が付いたらまた山に登りたいなと思っている自分がいます。
by Ricophoo | 2014-07-29 22:59 | 登山