野沢トレイルフェス

懸賞 2014年 08月 10日 懸賞

f0036354_22374822.jpg8月9、10日長野県野沢温泉村で行われた野沢トレイルフェスにお師匠とお師匠の会社のIさん、Sさん達と参加してきました。
「冬は一大ウィンターリゾート地の野沢温泉村。その大自然を夏に思いっきり楽しもう!」をテーマにトレイルランニング・マウンテンバイク・ストライダーレースを同時開催!絶景を見下ろしながら爽快に駆け抜けましょう!というのが、この「野沢トレイルフェス」のコンセプトです。

遡ること数か月前、お師匠に坂道を下るだけのレースに参加しないかと誘われ、何度も「下るだけか?」と確認してからエントリーを決めたレースです。
「温泉」「フェス」「バーベキューパーティー」「ダウンヒル」という甘い言葉に惑わされたのが間違いの始まり。
マラソンレースの世界で「健康」とか「ファミリー」とか「ポップ」などと言った緩い言葉の陰に隠された「地獄」を今まで嫌というほど味あわされてきたというのに。

折しも台風11号が四国に上陸し、日本列島を嵐に巻き込みそうな不穏な気配を漂わせていたため、レースが中止になっても温泉に入って帰ってくればいいんじゃないの?と我々一行は早朝の6時30分 新宿発の大会がチャーターした高速直行バスに乗り込み、リゾート気分で出発しました。
しかしリゾート気分はすぐに消え去りました。
夏休み初日の土曜日、9日は帰省ラッシュのピークだとテレビで言っていたとおり、道路は渋滞につぐ渋滞。最初の休憩地点、上里インターあたりで既にどっと疲れがたまってきました。
高速道路でも渋滞ばかりで、レース受付終了の12時になっても私達はまだバスの中でした。
既に新宿を出発して6時間以上が経っています。
私の参加するショート(12キロ)のスタートは13時。
お師匠とIさん達は13時15分スタートのロングトレイル(28キロ)のコースを走ります。荷物はバスの下のトランクの中。準備も一切できない状態です。いったい私たち直行バス組はスタートに間に合うのでしょうか?

何とか12時30分現地に到着。慌てて受付をして荷物を預け、スタート地点のある上ノ平のやまびこ駅までゴンドラで15分。準備を済ませてスタートラインに付いたのは、なんとスタート10分前でした。
6時間半もバスに揺られ、エコノミー症候群一歩手前の状態で、アップもなし、どこをどんなコースで走るのかという情報もなし。
周りを見回すとトレイルフェスというだけあってオシャレな雰囲気の若い女性ランナーや、かっこいいトレイル装備を身にまとった気合の入ったシリアスランナーが沢山います。
ペットボトルを入れたいつものボロボロのウエストポーチで、まるで近所をジョギングするような格好のランナーは、どうやら私だけのようで非常に恥ずかしかったです。
頭や体の整理もつかない状態で何が何だかわからないままスタートの号砲です。

そう、確かに。
スタートから2~300mくらいは確かにロードを下ったような気がします。
しかし、そこから2~3キロ予想だにしなかった上り坂が続いていきました。
「こ、これは何かの間違いでは?」
「下り坂って聞いてやって来たんですが?」
「日本初のダウンヒルオンリーのコースってどこの話でしょうか?」
白目を剥きながら息も絶え絶えで山道を駆け上ります。
またもや優しく甘い言葉の先に隠された「地獄」を見てしまいました。

「がんばってくださ~い!」
コース案内に立つ笑顔のボランティアさんの胸倉を掴みかかりたくなる衝動を抑えるのに苦労しました。

ヒィヒィという悲鳴にも近い息遣いで涙目になりながらも何とか止まることなく走り続け
ようやく「ここからは下り坂ですよ~」という神の声が聞こえる所までやってきました。
「その言葉をどれほど待っていたことか!」
今までの鬱憤を晴らすかの如く、なだらかな山道を一気に下っていきます。
しかし、足元は木の根っこが縦横無尽に張り巡らされており、慎重に足を運ばなければなりません。しかも地面がぬかるんで非常に走りにくい箇所がずいぶんありました。
さらにロングトレイルの部のエリートランナー達がものすごいスピードと動きで私たちの脇をすり抜けて駆け下りていきます。危険な場所で接触でもされたら滑落する可能性もあるのでヒヤヒヤしました。
なのでなるべく邪魔にならないように脇を通ったり後方に気配を感じるように随分気を使いました。

面白いように下りが続いて走りも興に乗ってきたとき、いきなり絶壁のような下り坂が目の前に現れました。
いくら下り坂とは言っても、限度というものがあります。
スピードも出ていたため危うく体ごと転がり落ちそうになりました。
しかも辺り一面雲海のようなガスが広がり視界がかなり悪くなっています。
急に現れたガスと異常なほどの下り坂にアゲアゲだったテンションが一気にダウン。
腰抜けという言葉そのまま、文字通り這う這うの体(ほうほうのてい)で絶壁を下り終えました。

後は日影ゲレンデまでの広々とした緩やかな草原を下るだけです。
ゴールが見えてくると俄然スピードがアップします。
「うりゃぁぁ~」
ゴール前3、4人の男性ランナーを抜いて1時間03分でゴール。
総合10位でした。
何とか転倒やケガもなく無事走り終えることができました。

12キロというショートコースでしたが、生まれて初めてのトレイルランレース。
山はゆっくりと歩いて登るものだというイメージがあるので、走って山を登るトレイルランに対していろいろ考える所もありましたが、何事も体験してみないとわからないこともあるものです。
自然の中、鳥のさえずりや、そよぐ風を受け緩やかな坂を駆け下りる心地よさは言葉で表せないほど楽しいものでした。
それと同時に、ぬかるみや足元の悪い箇所では、無意識に自分の身を守ろうと草の生えたところに足を置いてしまいます。
山歩きでは踏まなくてもいい植物をレースでは必要悪のように踏んでしまいます。
私一人ではなくレースに参加した人たちが各自の必要悪で自然を荒らしているような気がしてなりませんでした。
冬場はゲレンデとして使用されているコースだからこそ、トレイルランのコースとして使えるのかもしれませんが植物にとってははた迷惑な話かもしれません。

世の中には経験しないと分らないこと、経験したからこそ見えてくるものがあります。
自分の意見を曲げない頑固さも必要な時もありますが、食わず嫌いはもったいないです。
いろんなものをいろいろ食べて自分なりの血や肉となっていけばいいのかなと思います。
同じものを食べ続けるかどうかはわかりませんが、そこは自分の判断や感覚で
これからもいろんなことにチャレンジしていきたいと思っています。

by Ricophoo | 2014-08-10 22:23 | スポーツ

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