博士の愛した数式
2006年 02月 19日
事故で記憶が80分しかもたない天才数学者の元へ派遣された
家政婦とその息子ルートとの交流を描いた心温まる物語だった。
数学、数式と聞いただけで
拒否反応が出てしまう私でも
物語の中で博士が教えてくれる数式の説明には
思わず引きつけられた。
博士を通して語られる「友愛数」や「素数」「完全数」
は「数」でありながら、常に敬い、慈しみ、愛するに値する
美しさと素晴らしさを持っているのだと知った。
文学と数学が見事に融合された
切なく温かいハートウォーミングストーリーだった。
ラブストーリーと評している媒体もあるが
これは「LOVE」とは言っても
人を慈しむ「愛」だ。
人間が尊敬し、認め合い、判り合う「愛」だと思う。
小川さんの作品は初期の「妊娠カレンダー」以来。
また小川さんの作品が読みたくて
いてもたってもいられず
青山ブックセンターで
「寡黙な死骸、みだらな弔い」という短編集を買ってきて
読み始めた。ああ
これも面白そうだな。
また夜更かししてしまいそう。
by Ricophoo | 2006-02-19 00:05 | 本